ディレクターの腕はメニュー画面で分かる

スマブラXメニュー画面の図
子供が遊ぶゲームであれば、大きな文字で、できるだけひらがなを使って…というように、ユーザーをイメージして作られているメニューはいいメニューですね
メニュー画面ってありますよね、アイテムを使ったり、ステータスをチェックしたり。RPGなどで特に顕著なのですが、このメニュー画面が上手にできているゲームというのはディレクターさんの腕がいい可能性が大です。

メニュー画面というのは、大抵ゲームで最初から最後まで使うものです。ここの使い勝手がいいかどうかは、ゲームそのものが快適にプレイできるかどうかとほぼ一致します。ですから、ここの部分を重視しているゲームは、ユーザビリティに気を配っている人達が作っていると言えます

しかし、メニュー画面を使いやすくするということは完成したゲームのイメージがしっかりしていなくては難しいんです。例えば、メニューにアイテムや装備や、ステータスといった項目を並べるとして、最適化された並び順を考えるにはプレイヤーがどの頻度でどの項目を使うかが分からなければいけません。ということは、ゲームが出来あがる前から、ユーザーのプレイスタイルまで想像できていないと使い勝手のいいメニューはできないということなんです。

メニューのビジュアル的なデザインも、最初から最後まで使われるということはゲーム全体のビジュアルコンセプトが反映されるべき部分だったりします。メニューをじっくり見ていくと、確固たるイマジネーションの元にゲームを作りこんでいるかがわかるのです。

プログラムにさわれる部分で確かめる

ワンダと巨像の図
小山ほどもあるボスをよじ登って倒すワンダと巨像。これはボスのモデルに同じ形の巨大なコリジョンを被せて、なおかつそれをモーションに合わせて一緒に変形させるというとても厄介なことをやってのけているゲームです。
ゲームは全てプログラムでできています。でもプログラムというものは、コンピューターの中で処理されていて、プレイヤーは何がどうなっているのか良く分からない部分でもあります。しかし、プログラムを実際にプレイヤーが触って確かめられる部分があります。それがコリジョンです。

コリジョンとは、衝突を意味する言葉ですが、ゲームユーザーにもう少し馴染みのある言葉で言えばあたり判定と置き換えてもいいかもしれません。例えば、プレイヤーキャラクターが歩いていて、壁にぶつかって前に進めない、という場合、壁にはこれ以上進めないというあたり判定が仕込んであります。これがコリジョンですね。他にも、触るとダメージを受ける、とか、歩くと音がする、などもいわゆるコリジョンに含まれます。

コリジョン部分は手を抜こうと思えばいくらでも手がぬけます。例えば椅子が置いてあるとして、椅子には一切触ることができなくすれば比較的簡単に処理できます。しかし、椅子の上にキャラクターが乗っかれるようにしようと思ったら一手間が必要になります。椅子の形にそってコリジョンを作らなければいけません。また、ここで登場するのがバグです。キャラクターが椅子の上に乗る場合に、背もたれのコリジョンがうまく設定されていないと背もたれがキャラクターをつきぬけたりするわけです。もちろん、ただ乗っかるだけじゃなくきちんと座らせようと思えばさらに作業が必要になります。

手を抜こうと思えば手が抜ける、細かく作るほど、はまったりつきぬけたりするバグが起こりやすい、それだけにわざわざコリジョンを作りこんである部分というのはプレイヤーにどこを触ってもらうかを作り手が選択している場所でもあります。コリジョンの作りこみはゲームをどう楽しんで欲しいかが見えてくるポイントなのです。

さて、手抜きゲーの見分け方をお話してきましたが、ではタイリングが甘くてメニューがいい加減で、コリジョンが大雑把なゲームは面白くないかと言うと……そうとも言えないのがゲームの難しいところなんです。最後は手抜きでも面白いゲームがあるというお話です。