年末年始商戦以降、動きが停滞している任天堂陣営

大乱闘スマッシュブラザーズXの図
2008年前半は、大乱闘スマッシュブラザーズX、マリオカートWiiと、任天堂の大作が立て続けに発売されたことで、市場が盛り上がっていました
今度はWiiの約10万台という数字について、考えてみたいと思います。同じように2009年2月の数字と比べてみると、こちらは約9万台。僅かに2009年3月の方が伸びていますが、あまり変わりません。これは2008年の年末商戦前とも同じ水準で、2008年10月の売上げを見てみると約10万台。つまり年末年始商戦を除くと2008年秋からほぼ横ばいです。

問題は、この10万台前後で横ばいという数字の見方です。2008年秋から比べると横ばいなのですが、それ以前から比べると、10万台程度に落ち込んでいるという言い方ができます。例えば2008年2月には30万台以上、2008年3月には25万台以上をWiiは売り上げています。2007年末に発売されたWiiFitの爆発的ヒットが継続的に続き、なおかつ2008年1月末には大乱闘スマッシュブラザーズXが発売、任天堂の有力タイトルが間を空けずに投入されることで、大きくハードを牽引していました。

それに比べると、2008年に発売されたWiiMusicや、街へいこうよ どうぶつの森はWiiFitほどのインパクトはなく、その後の展開もゲームキューブのリメイク作品であるWiiであそぶシリーズなど、スマッシュヒットはありますが、ハードを大きく牽引するタイトルは投入できていません。年末年始商戦以降の任天堂陣営の戦略が緩慢であることが市場にそのまま反映された形だと言えます。

本当はドラクエ9が盛り上がっているはずだった

ドラゴンクエスト9の図
ドラクエ9ほどの大型タイトルになると、ソフト単体だけの問題ではなく、ハードの販売戦略にも大きな影響を及ぼします。
2009年にはいると、任天堂の動きが鈍くそれがWiiの売上げに反映されているというお話をしてきましたが、それはもしかするとある程度は織り込み済みのことだったのかもしれません。というのは、任天堂の戦略に1つ誤算があったことが考えられるからです。そもそも春休み商戦でWiiは存在感を出すつもりがなかった可能性があります。そう、本来の主役はドラゴンクエスト9(以下ドラクエ9)とニンテンドーDSi(以下DSi)だったはずなんです。

今、テレビをつければDSiのカラーバリエーションのCMが大量に流れています。おそらくは、この新色と、ドラクエ9の相乗効果に注力して、一気にDSiを盛り上げる、というシナリオだったはずです。それがドラクエ9が2009年3月から2009年7月へ発売延期してしまった為に、盛大にズッコケタ形になり、Wiiの不調だけが浮き彫りになってしまいました。

春休みにドラクエ9で携帯機が大きく盛り上がり、続いてWiiリモコンの性能を高めるアタッチメント、Wiiモーションプラスを同梱したWiiスポーツリゾートで話題を作り、そして夏にはモンスターハンター3(以下モンハン3)という綺麗な流れが崩れたことで、任天堂はなんだか何も手を打っていないような印象すら感じます。

そこにタイミングよく、PS3でサードパーティーの大作ソフトが立て続けに発売され、逆転劇がクローズアップされた形になりました。この出来事にはWiiの強さと、そして弱点が示唆されているように思います。