年末年始商戦以降、動きが停滞している任天堂陣営
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2008年前半は、大乱闘スマッシュブラザーズX、マリオカートWiiと、任天堂の大作が立て続けに発売されたことで、市場が盛り上がっていました |
問題は、この10万台前後で横ばいという数字の見方です。2008年秋から比べると横ばいなのですが、それ以前から比べると、10万台程度に落ち込んでいるという言い方ができます。例えば2008年2月には30万台以上、2008年3月には25万台以上をWiiは売り上げています。2007年末に発売されたWiiFitの爆発的ヒットが継続的に続き、なおかつ2008年1月末には大乱闘スマッシュブラザーズXが発売、任天堂の有力タイトルが間を空けずに投入されることで、大きくハードを牽引していました。
それに比べると、2008年に発売されたWiiMusicや、街へいこうよ どうぶつの森はWiiFitほどのインパクトはなく、その後の展開もゲームキューブのリメイク作品であるWiiであそぶシリーズなど、スマッシュヒットはありますが、ハードを大きく牽引するタイトルは投入できていません。年末年始商戦以降の任天堂陣営の戦略が緩慢であることが市場にそのまま反映された形だと言えます。
本当はドラクエ9が盛り上がっているはずだった
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ドラクエ9ほどの大型タイトルになると、ソフト単体だけの問題ではなく、ハードの販売戦略にも大きな影響を及ぼします。 |
今、テレビをつければDSiのカラーバリエーションのCMが大量に流れています。おそらくは、この新色と、ドラクエ9の相乗効果に注力して、一気にDSiを盛り上げる、というシナリオだったはずです。それがドラクエ9が2009年3月から2009年7月へ発売延期してしまった為に、盛大にズッコケタ形になり、Wiiの不調だけが浮き彫りになってしまいました。
春休みにドラクエ9で携帯機が大きく盛り上がり、続いてWiiリモコンの性能を高めるアタッチメント、Wiiモーションプラスを同梱したWiiスポーツリゾートで話題を作り、そして夏にはモンスターハンター3(以下モンハン3)という綺麗な流れが崩れたことで、任天堂はなんだか何も手を打っていないような印象すら感じます。
そこにタイミングよく、PS3でサードパーティーの大作ソフトが立て続けに発売され、逆転劇がクローズアップされた形になりました。この出来事にはWiiの強さと、そして弱点が示唆されているように思います。