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マリオギャラクシーがイマイチ売れない理由(2ページ目)

鳴り物入りで発売されたマリオ最新作、スーパーマリオギャラクシー。しかしその売上げは期待されてた程ではなかった模様……。今Wiiのマーケットはどんな状況にあるのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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Wiiとゲームキューブの客層の違い

スーパーマリオギャラクシーのCMの図
CM展開はカップルや親子が一緒にマリオを遊ぶという、ライト層をターゲットしたものでした。しかし、売上げの推移を見ても、今のところライト層が飛びついたようには感じられません
この、イマイチ売れない理由としてまっさきに挙げられるのは、Wiiとゲームキューブの客層の違いでしょう。Wiiと同時に発売されたソフト群のなかで何が一番売れるか、それまでであれば一番人気はトワイライトプリンセスであると考えられたはずです。何しろ20年という長い歴史を持ち、支持され続けたゼルダの伝説シリーズの最新作ですから。

しかし、Wiiリモコンという今までに無いコントローラーはそういったゲームの歴史を完全にくつがえしました。圧倒的に売れたのはWiiスポーツ。現在までで200万本をゆうに超える売上げを誇り、Wii普及の立役者となりました。

ですからWiiには、ゼルダの伝説のような複雑で入り組んだ内容のゲームを買うコアゲーマーよりも、Wiiスポーツのようなカジュアルなゲームを好むライトゲーマーの方が割合として多いと考えられます。

任天堂もそのことを理解していないわけではありません。マリオギャラクシーにおいても、ライトゲーマーでも簡単に遊べるように2人で協力するモードを取り入れるなどの工夫はしています。しかし、Wiiスポーツを楽しむような人が気軽に手が出せる所までは至っていないというのが、結果として現れているのではないでしょうか。

3Dアクションの限界

Newスーパーマリオブラザーズの図
シンプルな操作でほどよい難易度のNewスーパーマリオブラザーズは、ライト層をガッチリ捕まえて、大ブレイクしました
もうひとつ、3Dアクションというジャンルの壁です。3Dアクションとは、スーパーファミコンの頃までの、横、あるいは縦にスクロールするだけの平面的なアクションゲームに対し、プレイステーションやセガサターン、ニンテンドー64の頃から出現した、縦横に加えて奥行きが表現され、空間を自由自在に動いてまわることのできるようになったアクションゲームのことを言います。このジャンルは、ゲームの中での空間把握、奥行きの距離感、などに手こずる人が多いせいか、イマイチ爆発的に売れたタイトルというものがありません。

最も売れたのがカプコンから初代Playstation用ソフトとして発売されたバイオハザード2なのですが、これで200万本強というところ。後はニンテンドー64用ソフトのスーパーマリオ64が約160万本で、後はヒットしても軒並み100万本前後なんですね。つまり、RPGにおけるドラゴンクエストやポケモンのような、出すたびに圧倒的に売れるソフトというのはないのです。

一方、横スクロールアクションのマリオの方は、ニンテンドーDSで発売されたNewスーパーマリオブラザーズが500万本弱という、とんでもない数字を出しています。つまりマリオブランドは未だに顕在ですが、3Dアクションという分野が、日本の市場で育ちきれてなく、マリオギャラクシーの売上げにも反映されているように思われるわけです。

さて、マリオですら大きく売上げを伸ばせないとなると、Wiiで3Dアクションを出すのは、やめたほうがいいのでしょうか?
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