複雑になりすぎたゲームの操作
10個ものボタンを駆使して操作するというのは、冷静に考えると実に難解ですよね |
このゲームはガンダムなどのロボットを操作して戦うゲームなのですが、ちょっと操作方法を書いてみます。左スティックで前後左右の移動、R1ボタンで上昇、R2ボタンで下降を調節し敵キャラに向かって飛んでいきます。射程距離に捉えたらL1ボタンで武器を選択、三角ボタンで敵をロックオンし、位置関係によって四角ボタンと丸ボタンで遠距離攻撃と近距離攻撃使い分けて攻撃です。なおかつ×ボタンでダッシュのオン、オフを切り替え、さらに右スティックカメラを動かし、十字ボタンの左右でレーダーの大小をチェンジして索敵、いざという時はL2ボタンで必殺技です。
うーん、こうやって書き出してみると目まいがするような複雑な操作ですね。ゲームになれていると麻痺してしまって気がつきませんが、よく考えると、誰でもできる操作ではありません。余程ゲームに慣れているごく一部の人だけです。それはすなわち、マーケットがニッチになる、ということでもあります。この複雑な操作から脱却するべくDSに採用されたのがタッチパネルであるわけです。
たくさんの人に売りたければ、誰でも使えなくてはいけない
iPhoneはタッチパネルを採用することで、携帯電話に大きな変革をもたらそうとしています |
若い世代にとって、携帯音楽プレイヤーや携帯電話の操作はそれほど難しいものではないかもしれません。しかし、それをより多くの層にアプローチできる商品にしようと思ったとき、真っ先に考えるべきはこのインターフェースの問題であるはずなのです。
本来的にはゲームよりもより広い層に売る携帯電話のようなアイテムの方が、より早くタッチパネルを採用していた可能性もあったかもしれません。あの分厚い説明書を読みながら順番に色んなボタンを押して操作するというのは、かなり非現実的であり、ほとんどの人はその機能を使いこなせてはいないというのが現状ではないでしょうか。iPhoneのタッチパネルは、この問題を劇的に解決する可能性がある画期的なものです。
ゲーム業界に新しいマーケットを築き上げた任天堂と、携帯電話という異なる業界に電撃参入したアップルの両者がタッチパネルを採用し、複雑でなかなか使いこなせないインターフェースをより簡単にし、誰でも使えるものへと変貌させて成功していることは、実に興味深いことです。
最後に、この任天堂やアップルの成功が示唆する未来について、考えてみたいと思います。