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ゲームらしいゲームよどこへいく(2ページ目)

ニンテンドーDSやWiiのヒットで顧客層が大きく広がる一方で、従来型のゲームがそのシェアを落としています。従来型ゲームはこのまま淘汰されてしまうのでしょうか? 生き残る道はどこにあるのでしょうか。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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ブームが起こせない従来型ゲームとブームを起こしたツール系ゲーム

FF7の図
FF7は、ムービーをふんだんに取り入れ、ユーザーをあっと驚かせる演出で時代をつくっていきました
脳トレに代表されるツール系ゲームのヒットを、一時的なブームだと言う方が時々いますが、私はその言い回しに少し違和感を感じます。エンターテイメントというものは、常に新しいことをし、人を驚かし、世の中の注目を集め、ブームを起こしていくことで成功していく世界です。今までのどんな成功したゲームも規模の違いこそあれ、ブームを起こしてきたものであるとも言えます。

従来型ゲームでも、例えば1997年に発売されたファイナルファンタジー7は、ふんだんに使った迫力のムービーや、立体的で緻密に描かれた世界でユーザーを魅了し、その後のRPGの方向性を決定づけるようなブームを起こしました。

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そういった視点で見てみると、脳トレは、脳を鍛えるという斬新なコンテンツと、タッチペンや音声認識などのDSの機能を上手に使いこなして、それまでゲームをやらなかった人にまでアプローチしてムーブメントを作りあげました。一方、従来型ゲームは近年においてFF7並のインパクトを与えるブームを起こすことができていない、と言えるわけです。つまり、凄く乱暴に言えば新しい驚きを与えたツール系が売上げを伸ばし、マンネリ化してきた従来型のゲームが売上げを落としているということなんですね。

キーワードは分かりやすさ

巨大マリオの図
画面いっぱいにまで大きくなる巨大マリオのインパクトは、ゲームに詳しくない人でも興味をそそられるものでしたね
では、今売れているソフトはどうやってムーブメントを起こしているのでしょうか。DSの火付け役といえば、脳トレですね。Wiiの起爆剤はなんだったかと言えば、Wiiと同時発売で既に180万本以上を販売しているWiiスポーツ。それにもうひとつ、従来型ゲームであるにも関わらず470万本という驚異的売上げを誇るNewスーパーマリオブラザーズ(以下Newマリオ)を加えて眺めてみると、あるひとつの共通点が浮かび上がります。それは分かりやすさです。

Newマリオは従来型ゲームではありますが、実は脳トレやWiiスポーツのように、わかりやすさという所にとても重点を置くことで幅広い層をターゲットし、成功しました。まず、十字ボタンとAボタン、Bボタンの3つだけというシンプルな操作をアピール。テレビCMにはもっと脳を鍛える大人のDSトレーニングでも起用された松嶋菜々子さんが登場し、ゲームの細かい内容ではなくマリオが巨大化するといった分かりやすい画面インパクトで構成して、脳トレユーザーにアクセスを試みます。そしてキャッチコピーは、「誰にでもできる、新しいマリオ」。実に徹底されていますね。

Newマリオの戦略は大当たりし、実に幅広い層に売れて、従来型ゲームでありながら見事大ヒットとなります。そして、実際にソフトが販売されるとちょっと面白いことが起こりました。多くのブログなどで、難しい! という声と、簡単! という声が同時にあがったのです。これは幅広い層に販売でき、尚且つ、攻略の難易度が、ゲームをあまりやならない人と、ゲームをよくやる人の丁度中間ぐらい設定されていることで起こった現象でしょう。DSのもつ幅広いユーザー層に確実にマッチさせることができている証拠ですね。

一見ピンチに見える従来型ゲーム、しかしNewマリオのように突破口は必ずあるものです。最後は、このピンチは実はチャンスであると言うお話です。
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