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何故Xbox360は売れないのか?(2ページ目)

WiiやPS3に1年先行して発売していながら、逆転されてしまったXbox360。ソフトが無いから売れないのか? 値段が高いのか? Xbox360の今までの展開を整理して考えてみます。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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ハイデフを強調したCM展開

Xbox360が発売時に大々的なCM展開をして強調したのはハイデフという言葉でした。ハイデフという言葉の意味は、ハイデフィニションの略で、日本語で言えば高精細、あるいは高解像度といったところでしょうか。Xbox360がいわゆるハイビジョンテレビ(以下HDTV)に対応して、高密度のゲーム映像を出力できることをアピールしたものでした。

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高解像度の鮮明な映像は次世代ゲーム機のひとつのウリだったかもしれません、しかし、Xbox360のターゲット層と考えた場合に多少の疑問が残ります。一般的に大型で、比較的価格も高価なHDTVを持っている層と、新しいゲームを買う層が必ずしも重なるでしょうか。例えば、広いリビングを持ち、比較的金銭的にも余裕があるような団塊世代、あるいはそれに近いファミリー層などがXbox360がターゲットに定められるか、というようなことですね。発売と同時期に発売された目玉ソフトを見ても、オンラインゲームであるファイナルファンタジー11や、格闘ゲームのデッドオアアライブ4など、いわゆるコアゲーマー向けです。どうしてもHDTVがターゲットしている層とはかなりのズレを感じます。

その後CMは一転、TOKIOを起用した展開を始めます。TOKIOといえば、若い女性などに人気があり、バンド、そしてドラマからバラエティまで幅広くこなすジャニーズのアイドルグループです。ここでもターゲットの問題が出てきます。TOKIOがターゲットしている層は、果たしてXbox360がターゲットしている層と重なるのかと言えば、これはかなり難しい所でしょう。

有名クリエイターの起用

ブルードラゴンの図
30万台が普及しているハードでの15万本の売上げですから、実にXbox360を持っている人の2人に1人はブルードラゴンを持ってることになります。
初代Xboxの反省から、Xbox360では日本市場に対する戦略として、日本の有名クリエイターを積極的に使っていきました。その最も有名な例がブルードラゴンでしょう。日本の国民的RPGといえば、ファイナルファンタジー、ドラゴンクエスト、ポケットモンスターの3つがあげられますが、ファイナルファンタジーの生みの親である坂口博信氏が総指揮を取り、同シリーズを手がけている植松伸夫氏が音楽を、さらにはドラゴンクエスト、あるいは漫画ドラゴンボールで有名な鳥山明氏がキャラクターデザインと、非常に豪華な面々が揃っています。

ブルードラゴンの発売されたのは2006年12月7日ですが、プロモーションはXbox360が発売された2005年末からCMが早々と行われるなど、非常に大々的なものでした。販売に際してもXbox 360 コアシステム ブルードラゴン プレミアムパック(以下ブルードラゴンパック)という、Xbox360本体に無料でブルードラゴンのソフトと、卓上カレンダーなどの特典まで付いてくるセットを用意し、破格の大盤振る舞いで勝負をかけました。ちなみにこのブルードラゴンパックですが、値段が29800円。ブルードラゴンの希望小売価格が7140円なので差し引くと22660円となり、25000円のWiiよりも安くXbox360の本体が買えてしまう計算になります。どれほど安く売ってるかが分かりますね。

結果から言えば、約15万本を発売しXbox360歴代最高の売り上げを叩きだしましたが、次世代ゲーム機戦争における戦略的ソフトとしてみた場合どうでしょう。WiiやPS3に一気に追い抜かれてしまっているということからも、その役割が果たせたとは言えません。一方でプロモーションや販促にはこれ以上ないぐらいのお金がかかっていたといっても過言ではないでしょう。さて、これらのCM展開やソフト戦略など、手を尽くしていながらイマイチ効果があがらないのはどこに問題があるのでしょうか。

次は、Xbox360がターゲットしているユーザーについて考えてみたいと思います。
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