転売屋の存在
何故こんなことが起こるのでしょう? それは、転売屋と呼ばれる人々が大きく関わっています。ゲームソフトをプレイする為にPS3本体を買うのではなく、品薄を予想して店頭価格と高騰するオークション等での価格の差額を儲ける為に買う人たちのことです。この転売屋という存在が大きく注目されはじめたのは2006年3月2日に任天堂からニンテンドーDSLite(以下DSL)発売時です。そのあまりの人気から極度の品薄状態に陥り、同時にオークションなどでは転売が多数見られるようになりました。任天堂は事態を収集するべく3月中にNDSを45万台、そして旧型のニンテンドーDSを20万台、計65万台以上の出荷を発表し、さらには一部ソフトの発売延期、CMの自粛などを行いましたが、一向に品薄は解消せず。オークションでは店頭価格の倍以上の値段で売られるような現象も見られました。
さて、PS3は言わずと知れた前世代王者PS2の後継機です。そのPS3が初回出荷10万台では、PS3に注目を寄せている誰もが、価格の高騰を予想してしまいます。転売でお金を儲けようと思っている人なら尚更です。つまり、出荷数が少ないことで、転売目的の人が多数加わることにより、PS3争奪戦は熾烈を極めることになったのです。
大混乱の発売当日
前日から集まった1000人を超える大行列に、警察が出動する騒ぎになった所も |
一方で前日の夕方から並び始める人が出るほどの大行列が出来る店舗が数店だけあります。どういうことかというと、話は簡単で入荷数が違うんですね。似たような販売規模でも他店より入荷数が大きく、また予約ではなく当日の直接販売のみを行うという店舗があるんです。何でこういう偏りがでるか、一概に断定することはできないのですが、行列を作り、テレビや雑誌などのメディアを呼んで報道してもらうという、広報技術であることが予想できます。つまり、ある程度意図的に行列を作り出して、その模様を報道してもらうことによって、宣伝効果を狙うわけです。
しかし、少し辛辣に言えば、今回のPS3の発売に関して言えばそれは逆効果だったかもしれません。需要、供給共に大量にあり、ある程度十分に予約も受け付けた上での行列作りであれば、PS3大人気の報道がなされたことでしょう。しかし、今回は需要に対してあまりに供給が少ない状況で、少数の店舗に大量に入荷させて当日販売をした結果、一部店舗で大混乱が起きました。
なにしろ数が十分ではありません、それに転売目的で必死に買おうとしている人たちも集まっています。1000人以上の人が押し合い、悲鳴が漏れ、とうとう警察が出動する騒ぎになってしまった所もあります。当然報道はそこを見逃しません。結局PS3大人気! という報道が流れるはずが、出荷が足りない為に混乱が起きているという報道もされてしまいました。
混乱はさらに続きます。PS3の品薄が巻き起こす争奪戦の行方はどうなるのでしょうか?