初動率でソフトの値段が変わる?

ワゴンセールの図
認知度が高く売上げも期待されたタイトルほど、初動で数がでないと値崩れの原因になったりしますね
タイトルの認知度、購買層などによって初動率という数字に天と地ほどの差がでることもある、ということをメジャーなタイトル2作品の売上げを通してご説明しました。最後はこれほどの差が出ると言うことが誰にとって重要なのかというお話です。それはもちろんゲームソフトを売る人達ですね。

例えばファイナルファンタジーのように初動率の高いソフト、これは発売初週にその8割が売れてしまうわけですから、発売日にどのくらい仕入れられるかがとても重要になります。仕入れが足りなくて品切れを起こせば、即、他所のお店で買われてしまいますからね。そして商機を逃したら、翌週からの売上げは頑張っても全体の2割です。また、初週の売上げがよかったからと言ってそのままの売上げを維持すると考えて入荷すればそれは在庫として残ってしまう可能性が非常に高いわけです。

逆に脳トレのようなソフトの場合、もちろん人気ソフトですから品切れを起こせば商機を逃すことにはなりますが、ファイナルファンタジーのように初週に品切れを起こしたら全体の8割を逃すというようなことはまずありません。逆に大量に仕入れたとしても売れ方はゆっくりですから、キャッシュフロー(資金の回転の仕方)が悪くなってしまいます。こういうソフトは定期的に仕入れて大量には入荷せず、なおかつ在庫を切らさないということが大切になるわけです。

初動率がこのように流通において重要であるということは、ゲームソフトの値段についても深い関わりがあるということを意味します。ニンテンドーDSのソフトは初動率が低いものが多く、それらは同時に値段がなかなか下がりません。先ほどご説明したように初動率が低いソフトはお店がリスクを負って一度に大量に仕入れるということをしませんから、不良在庫がたくさん残るということが少ないというのが要因のひとつにあげられます。逆に、ファイナルファンタジーのような人気シリーズのソフトが、発売初週に思うように売れなかったらどうでしょう。初週の売れ残りはそのまま在庫になってしまう可能性が高いですね。ですから即座に値下をしてなるべく早く売り切ってしまうことを考えるわけです。ソフトの店頭価格の推移と初動率は密接な関わりがあるというわけです。

さてさて、初動率のお話、いかがでしたでしょうか。他にもアニメなどとタイアップしたいわゆるキャラゲーと呼ばれるものはタイアップしているアニメの固定ファンの方が買うので初動率が高めの傾向があったり、あるいはポケモンのようなソフトは、対象であるお子さんが自分の自由にお金を使えるわけではないので、低めの初動率になるなんてこともあります。なかなかどうして、一筋縄ではいかないですね。ですがそれだけに、注目していくとゲーム業界の市場が今どうなっているかが見えてくる面白い数字でもあります。是非、これからはちょっと気にかけてみてください、きっとゲームニュースの情報の裏側が見え隠れすることでしょう。

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