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3Dを持って行くか、3Dのところに行くか?(3ページ目)

3Dゲームが手軽に遊べるニンテンドー3DS、3Dゲームが本格的に楽しめるPS3と3Dテレビ。ちょっとした違いのはずですが、両社の戦略はこんなにも違います。

山道 健介

執筆者:山道 健介

プレイステーションガイド

新鮮味のない移植作?古い良さを生かしたコンテンツ?

3DSと同時に強力なラインアップが発表された。
象徴的なのは任天堂の『パルテナの鏡』のリメイクだろうか。
タッチパネルがそうだったように、3Dという目新しさがあらゆるコンテンツを新鮮に蘇らせるだろう。誰もが親しんだ古いコンテンツでも、3Dというだけで新しいものとして受け入れられるかも知れない。

『マリオ』『ゼルダの伝説』などの任天堂定番シリーズだけでなく、『ドラクエ』などのファミコン時代からの定番シリーズも、3Dでどう生まれ変わるのか期待がかかる。

また、E3で目立ったのが『バイオハザード』『メタルギアソリッド』などの「PSで大きく育ったシリーズ」の3DS版の存在だ。
続編であったり番外編であったり、または純然たるリメイクだったりするこれらの作品だが、これはややもすると、3Dが「従来のゲームの単純な焼き直しになる」という危険性を孕んでいる。

モーションコントローラとの相性はちょっとどうか

また、3DSにはモーションセンサやジャイロセンサが搭載されている。視聴ポイントがある程度限定される3Dで、あまりゲーム機本体を動かす操作は合わないと言える。

これについてもやはりPS3で同等の問題があり、「3DとMoveでゲームの没入感を高める」という方向に行きたいところが、実際あまり体を動かすと3Dメガネが邪魔だし、そもそもテレビから少しでも目をそらすと3Dに見えなくなってしまう。

結局、ゆっくり座ってあまり体を動かさないゲームが合っているということになるのではないだろうか。
3Dとモーションコントローラはトレードオフという事になるだろう。

浮き彫りになるSCEの課題

「タッチパネル」「バランスボード」などに続き、またしても「裸眼で3D」という斬新なコンセプトを撃ち出してきた任天堂だが、それを受けてPSPはまだ新しい動きを見せていない。
3DSが3Dという機能以上に、800x240でPSP以上でリッチなグラフィックを表現可能になったという点は大きい(立体視では400x240が有効となる)。
これまでは「グラフィック重視ならPSP」という流れだった携帯ゲーム機の棲み分けが、「グラフィック重視でも3DS」という方向に流れだろう。

PSPの後継ハードがさらなるグラフィック重視路線を取るとすると、ユーザーの囲い込みに苦労するのは目に見えている。携帯ゲーム機にこれ以上のグラフィック性能が必要だろうか、という話に向かうからだ。

するとスマートフォン化するのか、電子書籍市場を取り込むのかといったiPhone路線か、(公式に否定されてはいるが)3Dなどの変化球で攻めるかという路線になり、やはりどこかと競合するのは避けられない。

筆者としては、携帯ゲーム機でありながら据え置きの要素も併せ持つという「携帯と据え置きのハイブリッド化」あたりがPSP正統進化の姿ではないかと思うのだが、さて。

ゲーム業界としては携帯ゲーム機と据え置きゲーム機で3Dのゲームが楽しめるというのは興味深い展開で、楽しみではある。
そしてDSの牙城を崩せないままに現れた3DSという新たな驚異に、PSPがどう立ち向かうのかも見逃せない。
軽薄短小な携帯ゲーム機メインのゲーム業界を、重厚長大な据え置きゲーム機メインの市場に切り替えていくのもSCEに課せられた使命なのではないだろうか。
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