意外と大作主義じゃなかったSCEJ
海外ではソニー・コンピュータエンターテインメントアメリカ(SCEA)、ソニー・コンピュータエンタテインメントヨーロッパ(SCEE)がコンスタントに大作を発表している。これまでも『アンチャーテッド』や『KILLZONE2』などが人気を博しているし、2月発売の『ヘビーレイン』、3月発売の『ゴッド・オブ・ウォー3』もファーストパーティー・セカンドパーティーの大作となる(ここではハードメーカーが発売するゲームの外部デベロッパーをセカンドパーティー、ハードメーカーの擁するデベロッパーをファーストパーティーとする)。
だが今のところ、国内のソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)でそこまで大金をかけたプロジェクトは『グランツーリスモ5』くらいなもの。
『勇者のくせになまいきだ』『100万トンのバラバラ』など、PSP向けのライト層向けカジュアルゲームに注力している状態だ。
つまり大作主義にほとんど迎合していないのである。
その代わりに力を入れているもの、それはユーザー層の広がりだ。
ゲームはお荷物?それとも中心?
グループ内では重荷とさえ思えるPS3だが、現実にはソニー事業の中心となりつつある。その一つの証左が、3月13日発売の『torne』の存在だ。ソニーグループ内では液晶テレビ、Blu-rayレコーダ、ウォークマン、パソコン、デジタルカメラなど、AV機器を中心に様々な製品を世に送り出している。
『torne』などはレコーダーと競合しそうだが、機能も制限されており、本格的な録画はレコーダーを購入するのが良さそうだ。
そう考えると、昨年発売されたPSP goの狙いも今回の『tonre』と似たものだったのではないか、と思うのである。
つまりAV家電のライトユーザーとゲームユーザーを結びつけることで、そこに市場を形成するのが目的ではないかと思うのだ。