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至高の廃人仕様ARPG!『デモンズソウル』(2ページ目)

SCEから発売されたPS3用アクションRPGの新作『デモンズソウル』。最近ゲームに熱中していない人は必見ですよ!これはハマル!!

山道 健介

執筆者:山道 健介

プレイステーションガイド

生きてる!→死ぬ…→ソウル体→デーモン倒す!→生き返る!→死ぬ!

死んでも死んでもやり直したくなるこの中毒性…!
このゲームにとって、死ぬというのはひとつの通過点だ。
先ほどのデーモンはそれを知らしめるための存在であって、つまり死ぬイベントだったようである。
安心した。
どう工夫してもアレに勝てる気がしなかったのですごく安心した。
しかし恐ろしいことに、一応あのボスは倒せるらしい。

主人公はその後、楔の神殿というところで目を覚ます。

この世界では死ぬとソウル体と呼ばれる姿となる。
この体のときは生身の半分の体力しかなく、気をつけないと一瞬で死んでしまう。
ソウル体の時に死ぬと、その場にソウル(後述する)を残して神殿まで戻される。
死んだらスタート地点というのはなかなか厳しいが、先ほど死んだ地点まで戻れば、ソウルは取り戻すことができる。
問題は取り戻す前に再び死んでしまった場合だ。
この場合は今死んだ場所に、現在のソウルを残して神殿まで戻される。
そして取り戻しそびれた分はロストしてしまう。

これは悲しい。
突然トラップにかかって即死してしまうこともあるゲームなので、不意に死んでしまったら慎重なプレイを余儀なくされる。
ちなみにそのエリアのデーモンを倒すことによって再び生身に戻ることが可能だ。
しかしまぁ当然のように死ぬゲームなので、遅かれ早かれまたソウル体でのプレイに戻るということは覚悟しておいたほうがいいだろう。
あの敵に勝てるかどうか?
この場所は渡れるかどうか?
この高さから落ちても死なないかどうか?
これらは基本的に自分の身を持って確認するしかない。

懐かしくも新しい、質実剛健骨太アクション

ゲーム進行上の演出は極力抑えられている。
間違っても登場人物がドラマを展開しだして30分間コントローラーを置く、という状況にはならない。
しかし、重厚な背景世界で、断片的な情報を整理しながら遊ぶうち、逆にえもいわれぬリアリティーを感じるようになってくる。
思えば喋りもしない主人公などどれくらいぶりに出会っただろう?

進行上のヒントも少なく、「ここは危ない」「これは罠か?」「この敵はどうやって倒すか…」など、すべてのことを誰にも教わらずに自分で解決していくのはなんとも気持ちがよく、達成感がある。

戦闘中、普通に高台から足を踏み外して落下、死亡…。
他のゲームなら「落ちないようにしといてくれよなー」などと不満を漏らす場面だが、このゲームでは「あんな場所で戦ったのがいけなかったか」と反省し、次に生かすことができる。
非常に当然のことだが、今までフレンドリーなゲームに接してきた身にはとても新鮮に感じた。

死んで覚える。
そしてものすごい緊張しながら死んだ場所のソウルを回収しに行く。

ゲームの根本的な楽しみを、ようやく思い出せたような気がした。
というところで墜落死が一度、強敵にあえなく敗北するのが一度、二度ほど死亡したが無事ソウルを回収して進んだところでいかにもボス戦が始まりそうなポイントに到着。
意を決して決闘し、これに打ち勝つことで生身に戻ることに成功した。

このカタルシスといったら!

しかし順調だったのはここまで。この後は広大なマップに迷い、強敵に屈し、ソウルをロストし、何度も心が折れそうな熾烈な思いをしたことも書いておかなければなるまい。初見のボスは基本的に死ぬと思って挑んだほうがよい。
だが、この魅力にとりつかれるともうぬるいゲームには戻れない。
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