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『白騎士物語』で王道RPGを考える(3ページ目)

30万本を売り上げた『白騎士物語』。いわゆる王道RPGだが、その出来栄えは?

山道 健介

執筆者:山道 健介

プレイステーションガイド

操作性は今一度練り直して

オンラインはちょっと作業的かも。
『白騎士物語は』折角よく出来たRPGなので、個人的には甘く評価したいが、「ここをこうすれば」という点が多いのがとても残念だと感じた。

スキル習得時のスキル選択でさえキー入力で混乱するし、テストプレイで気がつくような不親切な点がチョイチョイある。
例えば装備品を購入したとき、そのまま装備させることができるのだが、なぜか購入時に表示されるキャラクター一覧と、装備させるキャラクターを選択する一覧でキャラクターの順番が違う。
これでは装備させるたびに違和感が伴う。

また、戦闘に入るとセットアップ画面などが出せない。
序盤で操作に慣れていないとき、アイテムひとつ使用するのにも混乱していた。
十字ボタンでキャラクターを選択するか、コマンドスロットから選択するか…これだけのことだが直感的でないと感じる。

また、フィールド上のターゲットが敵・味方ともわかりにくい。
なので混戦時にターゲット変更がやりにくい。

親切なゲームにあるような、「困ったときはこのボタンで全部解決!」と言うものがない。
まぁ、この辺は慣れれば気にならなくなるのだが、慣れが必要な時点で今時のデザインではないなぁと感じる。

チューニング次第で名作に

現状でも遊べる作品ではあるのだが、チューニング次第では大化けするのではないかと感じた点がいくつかある。

まず、変身のシステムにやや疑問を感じた。

巨大モンスターは変身しないとてこずるが、ある程度のACが必要となる。
となると、主人公はACを使うスキルやコンボを節約せざるを得ない。
ACもなかなか溜まらないので、自作コンボの楽しさを変身のために我慢する事になる。
必然的に通常攻撃メインの地味な戦闘を続けることになる。
逆にガンガン自作コンボで戦闘すると、ウリであるはずの変身がいざと言うときにできない。

なので基本的には待ち時間→通常攻撃の繰り返しの戦闘になってしまう。

仮に待ち時間を短く、攻撃回数を多くし、ACの溜まりを早くし、MPを消費して変身するようチューニングしたら、それだけでもう少しスリリングで能動的な戦闘になったと思うのだが。

また、魔法や弓で活躍しようにも、一度敵にロックされると距離をおいても不通に攻撃されるため遠距離攻撃のうまみがない。

魔法を使用すると詠唱時間がかかるが、実は「攻撃→魔法」と言うコンボを作成すると詠唱時間が短縮できるので、魔法を使いこなそうと思うと敵に接近してコンボを使うことになる。
なら遠距離攻撃いらない。

など、材料はいいのだが調理がいまひとつという感じがしてしまうのだ。

折角良い点もあるために、ことユーザビリティーと言う点ではもう少し気を使ってほしかった。
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