オフィスソフトもスイスイ(?)動く!
いい機会だからOpenOffice.orgに慣れておくのもいいかもしれない。MicrosoftOfficeとの親和性も高いが、独自の機能も備える。 |
YDLに標準で装備されているOpenOffice.orgとは、ざっくり言って無料で使えるオフィスソフトである。これはWindows版も存在するのでご存知の方も多いだろう。MicrosoftOfficeとの互換性も持っている総合オフィススイートで、ワードプロセッサも表計算もデータベースもお手の物というスグレモノだ。
そのほかにも簡単なゲームが付属したり、Gimpという高度なグラフィック加工が可能なソフトも付属する。
インターネットは前述のFireFox、メールはThunderbirdと、それぞれ(馴染みはないかもしれないが)付属するソフトで使える。
PS3が立派なパソコンになったといっても過言ではない!
いや、実際にはちょっと過言だったりする。
快適かというとそうでもない。でも割と楽しい
起動までの「間」が許容できれば、あとはそれなりに快適に動く。この「もう一歩感」がなんとも惜しい。 |
Windowsパソコンを所持しているなら取り立てて魅力的なものではないだろう。
そして、PS3の能力はゲーム機としては無敵だが、ことパソコンに使用するとなると力不足と言わなければならない。
パソコンのスペックがわかる人であれば自明の理だろう。
PS3に積まれた256MBのメモリは昔のパソコンに等しい(し、すべてがLinuxに使えるわけではない)。
グラフィカルなインターフェースには負担が大きいのである。
それでもYDLはPS3対応をうたっているだけはあり、予想外に快適に動くのだが。
もしテキストベースのインターフェースで利用するのであればまだ快適だろうが、とてもじゃない、Linux初心者に薦められる利用法ではない。
また、せっかくのGPU(Graphics Processing Unit)がLinuxからはアクセスできないようになっているらしく、PS3の強力なグラフィック機能はオミットされた状態でしか使えないということになる。
それに、Linuxはライセンスなどの問題でMP3ファイルが再生できない。再生するにはリポジトリの設定がいる…など、導入後に必要な作業も多い。
と、言うわけでもし「PS3をバリバリ動くパソコンとして使いたい」というのであれば、労力に見合ったパソコンが出来上がるとは言いがたい。どこぞのベアボーンキットから自作したほうが安価で快適なパソコンを作れるに違いない。
だが、「PS3がパソコンになるってロマンだよね」という人、「リビングのゲーム機で表計算なんて素敵」という人、「Linux扱えるからちょっとやってみようかな」という人、「この機会にLinuxを覚えてみたいな」という人、「内容はともかく動く過程が楽しい」という人、MS-DOS時代にUMB領域のやりくりが楽しかった人、設定マニアの人などは楽しめると思う。
要は「PS3-Linuxで何をするか」、では無く「PS3-Linuxをどうするか」である。これはあれだ。「PS3があなた方に何かをしてくれることを問うのでなく、あなた方がPS3のために何ができるかを問え」ということだ。
そんな楽しみ方(ケネディ的アプローチ)が出来る人は充実した時間を過ごせることだろう。