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PS3持っててよかった!『FolksSoul』

幻想的な死後の世界で、敵を釣るアクションアドベンチャー! 『FolksSoul』はPS3持ってて良かった、と思える良作!

山道 健介

執筆者:山道 健介

プレイステーションガイド

期待されなかったファーストパーティータイトル

 
ゲーム本編、ムービー共にクオリティーの高いグラフィックとなっている。
PS3には、大ヒットが宿命付けられたタイトルがいくつかある。
『ファイナルファンタジーXIII』しかり、『メタルギアソリッド4』しかり、『グランツーリスモ5』しかりである。
それらはPS3本体の売り上げを牽引すべく大いに期待され、発売前からずっとPS3の行く先を決定付けるタイトルとして動向が見守られている。「Xbox360でも発売されるかも」という噂が流れるだけで多くの人々の注目を集めるほどである。

そんな中、いわゆるファーストパーティー(この場合ソニー・コンピュータエンタテインメント)が発売するタイトルはXbox360、Wiiで発売されることはない。事実上PS3独占タイトルということになる。
Wiiはファーストパーティーが強い(この場合は任天堂)のも安定した人気の理由と言えるだろう。

さて、今回紹介する『FolksSoul -失われた伝承-(以後FolksSoul)』はそんなファーストパーティータイトルでありながら、比較的注目度の低かったタイトルである。
同じく7月発売のファーストパーティータイトル『ぼくのなつやすみ3』『みんなのGOLF5』と比べるとその存在も知らなかったというユーザーも居るのではないだろうか。

しかしこのタイトル、知名度だけでスルーしてしまうのは惜しすぎる良作なのである。

ミステリーの味付けが効いた現代版御伽噺RPG

 
舞台となる村レムリック。廃村だが若干の村人が住んでいる。
『FolksSoul』の舞台は現代。死んだはずの母親から手紙を受け取ったエレンと、ミステリー誌のライターであるキーツの二人が主人公となる。
この世界には地続きで死後の世界が存在し、その世界で二人が未曾有の冒険をする…という内容なのだが、まずはその世界設定が非常に秀逸。丁寧に書き込まれたグラフィックと相まって、現代世界にありそうで無い、不思議な空間を生み出すことに成功している。

まずはエレンが死後の世界に赴き、それを追う形でキーツも同じ世界へと向かう形となる。7章仕立てのストーリーだが、とりあえずはエレン編とキーツ編を別々に進めていく。

いわゆる死後の世界である“異界”が7つあり、それぞれの世界が非常に特徴のある作りになっているのが面白い。最初に訪れるのは妖精界。妖精とはいえあまりメルヘンに満ちた存在ではなく、そこはダークな世界観を反映したものになっているが、花畑などはなんとも妖しく不思議な美しさ。思わずじっと見つめてしまうような、雰囲気のある世界である。

そしてそこに住むフォークスたちが、また妖しくも美しい。
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