■PSPの先輩?ソニーの携帯端末CLIEとは |
PDAという端末があります。多機能電子手帳とも呼べるようなもので、スケジュール管理やメモ帳などに使います。 ソニーから発売されているCLIEはマルチメディア型PDAといった感じの製品で、スケジュール管理だけでなく音楽再生、動画再生、ゲームなど非常に多機能なのが特徴です。 音楽、動画、ゲーム…PSPにも共通のキーワードがいくつも出てくるCLIEとは一体どんなものなのか、PSPの先輩とも呼べるこの製品を検証してみましょう。 CLIEはPalmOSと呼ばれるOS(オペレーションシステム:WindowsパソコンにおけるWindowsのような、ハードウェアの根底を成すシステム)が採用されています。このOSの基本思想ともいえるのが「軽妙な動作」「利便性」「シンプルさ」です。 高速なCPUではない。大容量のメモリも積まれていない。採用されているソフトウェアもシンプルでケレン味がない。しかしそのために消費電力は少なく、キビキビと動作します。携帯端末の一つのあり方を示した、すばらしいOSだと思います。 CLIEはこの基本思想を生かしながら、マルチメディア能力を大胆に取り入れました。そしてビジネスだけでなく、エンターテインメントとしても魅力的な端末となったのです。 例えば筆者が持つCLIE、SJ33では○動画の再生、○音楽(MP3、ATRACなど)の再生、○写真の閲覧、○テキストファイルの閲覧、○ゲームなどが可能です。他にもファイルを追加すれば様々な事ができるようになります。 PSPは、ゲーム機能に加えこういったマルチメディア再生をより高度に実現しようとしているのではないでしょうか。前回検証したPSXが「リビングをマルチメディアサーバーにする」事を目標にしているとするならば、PSPは「どこでもマルチメディアを再生できる携帯端末」となり得ると思うのです。 しかしながら、CLIEはPalmOSの持つ「軽妙な動作」「利便性」「シンプルさ」と、エンターテインメント性という相反する要素を兼ね備えた、微妙なバランスの端末であるとも言えます。 音楽や動画などに早い処理能力の求められるCPU、320x320・320x480といったバックライトを搭載した高精細液晶などは消費電力を高くし、その代償としてバッテリーがあまりもたなかったり、動きの機敏さが失われたりといった弊害もありました。 CLIEを反面教師とすると、PSPが携帯端末として成り立つには、やはりバックライト、CPUやチップなどの消費電力は気になるところです。 |