マルベル堂で懐かしいプロマイドを見る
ズラリと並べられた往年のスターたちのプロマイド |
お店の看板を見て、Eくんが、
「ああ、○にベルだからマルベル堂なんですね」
と言った。ああ、なるほど、ベルの絵が○の中に入っているマークがある。店の前まできて、僕はもうわくわくしてしまった。キャディーズ、ピンクレディー、山口百恵、天地真理といったカラーのプロマイドがズラリとならんでいる。
昭和33年生まれの僕にとって、中学生時代にアイドルだった人たちである。
おもしろいもので、こういうものを見ると、まるでタイムマシンにでも乗ったように、一気にそのころの気分になってしまう。それにしてもこれまで見たことのない図柄のものばかりだ。
プロマイドがブロマイドか
懐かしいスターたち。青春の思い出だ。 |
結論からいうとどちらも可である。ただし、マルベル堂さんではプロマイドと呼びたい。もともとスターの写真を売り出したのはここ、マルベル堂さんが最初である。大正時代からというのだから、その歴史の長さには驚かされる。僕らが生まれるずっとずっと前からプロマイドはあったのだ。この「プロマイド」は、ここマルベル堂のご主人が「プロフィール」から発想し、「プロ~」にしようとネーミングをされたそうだ。
それが世間に広まるにつれ、ブロマイドとなり、いまの広辞苑などにはブロマイドとして載っている。そういう意味では、「プ」が正しいのだが、長い年月とともに「ブ」が定着してきたということだろうか。地下一階にはものすごい数のプロマイドがある。アイウエオ順に並べられている。これを見ているだけでも楽しい。
アイウエオ順に収納されているプロマイド。お目当てのスターはすぐに探せる。 |
今の時代、それはブログだったりするのだろう。
マルベル堂にあるプロマイドは、1980年くらいまでのアイドルのものが置かれている。店の人によると、最近はプロダクションのほうで作ってしまうから、ここでは扱えないのだそうだ。ならば、これまで撮影してきた膨大な量の写真はどうなんだろう。
「ほうぼうから問い合わせをいただくんですけど、契約でプロマイド以外では使えないことになっているんで、お断りしているんですよ」
あ、なるほど、それでわかった。初めて見るスターの表情や姿はここオリジナルなのだ。決して雑誌などには載っていなかったスターがここにいる。やはり、ここにきてプロマイドとして購入しないと駄目なのだ。