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セガ・未来研発! ライフ・エンターテイメントマシン セガだからできた、楽しい"癒し"

セガが手がけるリラクゼーションマシンには、セガだからこそできる楽しさと癒しの融合があった。そしてこのマシンを手がけたセガ・未来研が構想するライフエンターテイメントとは?

執筆者:安達 孝之

■セガのリラクゼーションマシンとは?
数々の名作ゲームを世に送り出してきた「セガ」と電気マッサージ機などを発売している企業、「ファミリー」とのコラボレーションにより誕生したリラクゼーション体感マシン、『リフレッシェル』。セガにお邪魔させて頂いて、実際に体感して参りしました。その感想としては、「間違いなく心地よい」です。

だが、アーケードゲーム市場では圧倒的なシェアを占めるセガがこうしたコラボレーションでリラクゼーションマシンを発売したのか。また、そのリラクゼーションマシンはどのような利用シーンを想定して作られたのか。また、これを手がけた未来研究開発部とはどんな部署なのか。疑問は尽きない。

そこで、ここではセガ未来研究開発部の山田篤広氏にインタビューをお願いして、これらの疑問をぶつけてみた。そしてこのインタビューからは、このマシンの開発までに至る背景や、音とマッサージの融合による新たなリラクゼーションの追求、そして未来研究開発部が目指す、生活とエンターテイメントとが同居する新たなカテゴリーの存在が見えてきた。


■でもなぜ、セガからリラクゼーションマシン?
まず、『リフレッシェル』を知る前に、このマシンを開発した未来研究開発部について伺ったみた。

「我々はセガの中で、未来研究開発部という部隊なんですけれども、もともと未来研究開発部(以下略して未来研)は『ジョイポリス』などのアトラクションを手がけてきたんです。そして我々の部隊の中には『甲虫王者ムシキング』を作っているチームがあったり、また一方ではこの『リフレッシェル』を作っているチームがあったりする訳です」

この未来研究開発部は、それぞれが異なる研究開発に取り組んでいるということだった。今回話を伺った山田氏は、その中で『リフレッシェル』などのマシンを担当していた。

「ゲームで培ったノウハウを使って、ゲーム以外の市場にも売り込んでいけるような商品ということで、色々なことを考えまして、その中で『リフレッシェル』に到達したという次第です。ゲームのノウハウをどんな物に活かしていけるか、開発側から考えて行ったときに、まず、レースゲームでのノウハウを活かした、教習所のドライブシミュレーターですとか、フィットネスクラブ向けに、楽しめるゲーム要素を持ったフィットネス機器を作ろうだとか、色々考えて、その中のひとつに、リラクゼーションマシンも作ろう、というものがあったんです」

開発に至る背景としては、開発側の発案と同時に、セガの営業サイドから、温浴施設やゲームセンターなどで使われているコインタイマーが付いたマッサージチェアをセガとしてもうちょっとおもしろいものにできないか? というような依頼もあり、こういった複数の流れから、『リフレッシェル』の開発へと進行していったという訳だ。

「それでも開発を一からスタートしていくと、色々大変なことも多いので、それなら実績のある他社とコラボしていこうということになりまして、マッサージ機メーカーの中で、「ファミリー」さんとコラボをしていった訳です」

コラボしたファミリーには、"シンクロナイズド・ミュージック・プログラム"という技術がすでにあった。これはマッサージチェアの動きとサウンドをシンクロさせて、より深いリラクゼーション効果を与えようというもの。ファミリーではすでに製品として『H.9』などの製品に搭載されいてる技術だ。

「これに、セガのアトラクションで培った、怖がらせたり、楽しませたりする立体音響等のノウハウを融合させられれば、これまでにないリラクゼーションの効果があるマシンが生まれるのではないか、と」

だが、この技術にセガの立体音響等のノウハウを融合するには、かなり苦労があったようだ。

「"シンクロナイズド・ミュージック・プログラム"という技術は、音に同調して反応する技術なんです。大きな音なら大きく揉み、小さい音なら小さく揉むといった具合に。だから、たとえば、激しい曲を選択すれば激しく揉み、静かな曲では静かに揉む。でもマッサージ的な効果としては、激しい曲を聴かされては落ち着けません。かといって静かな曲なら揉みも小さくなってしまう。ですので、この機能を改良して、"聴かす音"と"動かす音"に分けました。演出として聴かせるものは小さく静かな音でも、揉みは大きく動くようにしてます」

実際、『リフレッシェル』のサウンドにはナレーションが付く部分があるのだが、このナレーションが流れる度にチェアが反応して動いては、確かに演出もあったのものではない。そこで、細かな改良を加えて、セガオリジナルのものに仕上げたという訳だ。


(C)SEGA 2003
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