ぶらり、立ち寄ったゲームセンター。何気なくUFOキャッチャーなどのプライズ(景品)ゲームを見てみると、ぬいぐるみやキャラクターグッズのかわりに、アダルトビデオや偽ブランドの時計や指輪が置いてあった。頻繁に色んなゲームセンターを訪れていると言う人であれば、こんな状況、珍しくも無いかも。
この不況の中、ゲームセンターも生き残りを掛けて、あれこれ様々なことを試しているわけですが、こんな景品を用意することは、違法なんですよ。風営適正化法、いわゆる、風営法の中にあって、「その営業に関し、遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない」と、あるんです。
ん? それじゃプライズゲーム自体違法じゃない? と思う人もいるでしょうが、これは例外として、小売価格800円以下であれば、賞品の提供にあたらないんだそうです。そして、偽ブランドやアダルトビデオも、この価格以内であっても、違法というワケ。
■怪しさ爆発! 違法景品の世界
現状を見てみると、ワタシが過去に目撃したのは、都内のマンモス繁華街某所のゲームセンターで、プライズゲームの景品ケース内に、所狭しと置かれた某ブランドものの時計の山。今考えれば、偽ブランドでしょうな。
はたまた、某ベイエリア内の新興住宅街に出来た大型ゲームセンターでは、景品ケースにプラモデルがズラリ。ワタシが知る限り、このプラモデルはどれも、3000円前後はする高価なもの。もちろん、これも違法。
極めつけは、ルーレットを回して、欲しい景品のマス目でランプを止めるというプライズゲーム機では、プレイステーション2や、高価な指輪、コンサートや各スポーツの試合チケットが景品に並んでいた。ココまで来ると、違法云々というより、ホントに当たるのかどうか怪しい気がしてきます。
こういった景品を用意している店に、頻繁に出入りしている人の話では、多くの場合、その景品の違法性が高まるほど、景品の実物はゲームの中に置かないそうな。そんな場合は、引き替えチケットなどを用意して、これをゲームでユーザーに取らせる。そして獲得した景品は、店舗カウンターの奥で、店員にチケットと引き替えてもらうわけだ。
だから、逆に言えば、堂々とケース内に違法景品を並べている店は、「違法」という意識自体がない。逆に、確信犯的に営業している店の中には、違法な景品しか置いてないプライズゲームのみを店舗に並べているところもあるそうだ。
■風営法改正で変わるゲームマシン?
そんなプライズゲームの現状がある一方、ゲームセンターでもお馴染みのメダルゲーム機にも風営法の影響が。平成14年1月、警察庁の風営適正化法「解釈基準」の改正で、風俗営業7号営業で使用または使用を前提に製造されたパチンコ機、パチスロ機を風俗営業8号営業においてメダルゲームとして使用する場合は適正な改造を施すことが義務づけられた。
風俗営業7号営業とはマージャン店やパチンコ店などのこと。そして風俗営業8号営業は、ゲームセンターなどのことを指す。つまり、風営適正化法「解釈基準」の改正では、パチンコ・パチスロ店などで使われた、またはそれ向きに作られたパチンコ機、パチスロ機は、ゲームセンターでメダルゲームとして使う際、それなりの改造が必要というわけね。
その改造は、払い出し率変更の有無、外観の変更とか。もちろん、改正前からメーカーでは自主的に改造は行ってはいるんですよ。
でも、確かにプライズゲームで違法なれど、高額な景品が用意されている状況があって、パチンコ店やパチスロ店の仕様でゲームセンターで使われ、メダルに応じた景品が用意されるようになったら、7号営業と8号営業の違いは、換金できるかってコトだけですもんね。そりゃ改正を義務づけるって話ですよ。