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アミューズメント業界を一変させる1枚のカード? 新カード技術で変わるAM業界

ゲームセンターに普及し始めた磁気カード。このカードがプレーだけでなく、画一化したプレー料金を変えようとしています。もう、プレー料金、50円、100円なんて時代は過去の話?

執筆者:安達 孝之

コイン積んでプレー? そりゃ過去の話
非接触型のICカード。それは、従来のプリペイドカードなどのように、磁気を直接接触してデータを読み込んだり、保存をするわけではない。カード読み取り機などの機器との直接接触をしなくとも無線によって通信を行うことで、データの読み取りや保存を行えるカード。

このICカードの技術も用いたシステムが、今、身近なゲームセンターなどのアミューズメント施設で使われようとしている。50円や100円硬貨によるプレー料金の課金が大半の現状。そんな中で投入されるICカードを用いたシステム『ATO System』は、大きな可能性を秘めている。

カードでプレー料金の自由化を
ATO System』、それは、カードを使ったキャッシュレスゲーム課金システムのこと。「なんだ、そんなのもの、もうあるよ?」と思われる方もいるだろう。確かに今まで、コインの代わりとして、プリペイドカードなどを用いた課金システムは存在していた。

だが、この課金システムはこれまでのものとその運用方法を大きく異なる。では実際にその運用方法を確かめるべく、下記の運用フローを見ていただこう。

導入店舗でのATOカード利用の流れ


【1】まず、店舗に来るお客さんは店員から「ATOカード」なるものを渡される。このカードには料金限度額があり、1000円、3000円、5000円など店舗側で自由に設定できる。また、保護者などの付き添いでプレーしない入場証としてカード限度額0円として配布。限度額を越えれば【3】での精算をして【1】へ。


【2】お客さんはプレーしたいゲーム機に設置されたリーダーにカードをかざす。これで料金がカウントされる。この際、カードは遊技記録を順次蓄積。リーダーは限度額から差し引いたカード残額を表示する。


【3】ゲーム機のリーダーは限度額から差し引いたカード残額を表示。そしてプレーを終え、出口のカウンターにお客さんはカードを提出。遊技記録から利用金額を算出して、精算。お客さんは退店してカードは回収され、また再利用される。


以上が運用のフロー。カードひとつ持つだけで、煩わしい小銭を持ち歩く必要が無く、便利そうだが、ゲームセンターを利用しているユーザー側として何よりここで注目したいのは、料金額を店舗側が自由に設定できる点。

従来のゲーム料金は、安いもので10円からあるだろう。だが、大半は50円や100円。中には200円、300円またはそれ以上とあるだろう。そんなゲームの中には、そのリリースタイミングから、もう古いと思えるゲームもある。

そんな古いゲームに、プレー料金100円では、客側としても敬遠しがちだ。もし、そんな時、例えば60円、または66円なんて店側で自由にディスカウント設定したプレー料金があるとすれば、その料金が妥当と思えるお客も増えてくるはず。

しかし、悲しいかな、現状のゲーム機では、1円単価ともなると自由な価格設定が極端に難しくなってくる。言ってみれば、今のゲームプレー料金は、例えるなら「商品は数多くあれど、セールスタイミングに合わせて、個別に商品の値段を決められない」、そんな状態。

この問題はゲームセンター運営者が抱える長年の問題であり、この問題の解決策となるこの課金システムが発表された、『AOU2003 アミューズメントエキスポ』のタカラアミューズメントブースでも、運営者や関係者を中心に大きな話題を呼んでいた。

今後、このシステムや同様のシステムが全国普及してくことで、「今日はあのゲームが○○円でプレーできるから、プレーしに行こう!」なんて光景や、「今日はあのゲームセンターでプレーするのがお得!」なんて光景があちこちのゲームセンターで見られることだろう。
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