■AMショーから見えた未来のゲームセンター!
『第40回アミューズメントマシンショー』。今年もビデオゲームから、アミューズメント施設向けの関連機器まで、先端技術を惜しみなく費やしたゲーム、関連機器が数多く出品された。このAMショーを振り返ると、3つのキーワードが浮かんでくる。
その3つのキーワードとは、ネットワーク、コスト削減、新施設設備。今回のAMショーを振り返りつつ、このキーワードを元に、未来のゲームセンター像を探っていこう。
□気になるキーワードをチェック!
○キーワード1:新施設設備
○キーワード2:ネットワーク
○キーワード3:コスト削減
■キーワード1:新施設設備
皆さんはゲームセンターで、メダルの預かりに指紋認証システムを導入した自動メダル預け払出機が、すでに運用されているのはご存じだろうか。今、ゲームセンター運営システムは大きく変わろうとしている。
AMショーでもこの自動メダル預け払出機は出品されていた。従来の店員との煩わしいメダル預け払出手続きから解放される画期的なもので、以前からユーザーメリットの高い施設機器と知っていた。だがこの機器、施設運営者にもメリットの大きい機器だった。
メダルは通常、貸出し機によって払い出され、ユーザーの間を巡り、運営者にとってメダル実数などを把握しづらいものだった。しかし、この機器はコンピューターが預けたメダルの有効期限から預け払い日までを管理してくれる。
指紋を使った認識ということで、プライバシーの問題が気になる所。だが、認識は指紋の特徴だけを認識する。指紋スキャナーで読みとられた指紋画像に、特徴点を置き、これを認識のポイントとする。
だから、この特徴点から元の指紋画像を複製することはできず、プライバシーの点でも問題は無いというわけだ。この機器の開発に携わった日本ユニカは、バイオメトリクス(生体認証)を、信頼度の高いロックなどのセキュリティ機器に多く活用している。だから、機器の信頼度も高い。
さらに、自動メダル預け払出機は、この自動で処理するので、スタッフの作業を軽減し、顧客情報まで管理してくれる。今回のAMショーでは、この機器のオプションとなるデータバックアップ機器システムなども出品され、訪れた数多くの施設運営者の目を引いた。
このような施設運営機器の新たな試みは、遠く離れたホスト・コンピューターから、店舗に置かれた各ゲーム機に直接、インターネットを介してアクセスできるシステムまで構築できるまでに至っている。
このシステムで各ゲーム機に付けられる端末は、ユーザーの携帯電話を接続することで、ゲームの課金をコインレスにすることも可能にする。AMショーでは、参考出品として、携帯画面を特殊端末にかざして、ゲーム課金するデモンストレーションも行われていた。
このようなシステムで、施設運営者がゲーム機一台一台の稼働率による人気や、細かい顧客データを得て、ユーザーがきめ細かいサービスを受けられるようになれば、これは大いに歓迎すべきことだろう。今後、このような施設運営を強力にバックアップするシステムを導入するアミューズメント施設は増えていくのは間違い無いだろう。
個人的には、上に紹介した最先端技術を使った機器も興味深いが、ちょっとしたアイデアから生まれた機器にも、心くすぐられるものも。その機器とは、逆両替機。簡単に言えば、1円硬貨でも10枚投入すれば、10円硬貨にしてくれる両替機。
今まであるようでなかった逆両替機。もうすこしプレーしたいけど、細かい硬貨は1円や5円だけ。これじゃ金額が足りてもゲーム機は受け付けてくれない。こんな時、逆両替機があれば、プレーできるし、施設運営側も売り上げがあがる。これはぜひ、ゲームセンター以外でも置いて欲しい!