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男50にして、サーフィンを志す(2ページ目)

体力的に50歳を越えてからきついと思われるサーフィンをなぜあえてするのか。たぶん自分もいくつになろうともサーフィンを続けるだろうが、そんな単純なことを聞きたくて鵠沼海岸に向かった。

執筆者:田村 隆之

つきつめると、自然との会話をしているのかもしれない

なんなくと何本もの波に乗る船山さん。おもわず見惚れてしまいました……
とはいっても、朝早く起きるのは苦痛だろうし、体力的にきついこともあるだろう。

「最初はね、怪我をしてね……。実際病院に行ったりもした(笑)。波に乗っている人が多いときは、何度も何度もぶつかるし、ボードも何回壊れたか覚えてない。映画やテレビでサーフィンを見ると、何だか楽しそうにやってるなと思いがちだけど、なかなかそうはいかないね。あれは一部の人だけなんじゃないかな(笑)。でもね、なぜかやめられないんだよ……。何でかな、君(ガイド)わかるでしょ? サーフィンしてるのなら。自然との対峙というかな……。さっき親子のコミュニケーションって言ったけど、自然との会話もしているのかもね。こんなのほかのことじゃ、なかなかできないし。

まあ、ただ、年齢を重ねていても重ねていなくても、サーフィンを始める人に言いたいのは『あんまり無理しないで』ということかな。最初はスクールとか入って、先生に教えてもらいながら覚えていくのがいいんじゃないかな……。あと、友達にサーファーがいたらやりやすいよね。何だかんだ言って大事なのは、挫折しないで、諦めないでやることですね(笑)」

そう言うと、さっとまた海へと少年のように駆けていった船山さん。海に入り、50オーバーとは思えないくらいガンガン波に乗っている。はたして自分は50越えたら、あんなに波に乗っていることができるのだろうかと思っていると、再び海から船山さんがあがってきて、

「言い忘れてたんだけど『海のマナーには気をつけてください』って書いておいてくれる? 自分もイマイチわかってないところがあったりするんだけど、しっかり学べば、トラブルの防げるし、何よりトラブルは面倒だからね(笑)」

と波打ち際から大きな声でひと言。その姿は、まさに永遠少年だった。



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