日本卓球協会は19日の常務理事会で、個人種目の世界タイトルを争う世界卓球選手権上海大会(4月30日~5月6日、中国)の日本代表選手11名(男子5名、女子6名)を決めた(3ページ目)。

男子の「危うい」選考

女子の選考にも、全日本女子ダブルス3連覇の小西杏(ミキハウス)をなぜ外したのかという疑問はあるものの、それは別の機会に譲って、今回は非常に「危うい」選考となった男子に絞って書いてみたい。

常務理事会の前に内定していた男子の代表は、全日本チャンピオンの吉田海偉(日産自動車)、代表選考会1位の坂本竜介(青森山田大学)の2人。今回、新たに強化本部推薦により岸川聖也(仙台育英学園高校)、高木和卓(青森山田高校)、水谷隼(青森山田中学校)の3人が選ばれた。このうち水谷は大会開幕時で15歳10カ月。パリ大会の岸川(15歳11カ月)を抜いて、男子では史上最年少の出場となる。

発表された男子のメンバーを見て、僕は直感的に「危うい」という印象を受けた。そして「これでもう後戻りはできないな」と感じた。男子の現状を考えると、若手主体に切り替えるという方向性は大筋では間違っていない。しかし、勝負事の本来の基準である「実力・実績」をいささか軽視しすぎているのではないだろうか。

今回の選考基準を自力でクリアした吉田、坂本はもちろんのこと、全日本3位、ジャパントップ12準優勝の岸川も文句のない選出だと思う。全日本ベスト8、代表選考会3位の高木和は微妙なところだが、同じくらいの成績であれば若手にチャンスを与えるという観点からすれば異論はないだろう。ただし、代表選考に位置づけられた全日本と選考会で振るわなかった水谷の選出はきわめて疑問だし、ひょっとすると危険ですらあるような気がしてならない。

断っておきたいのは、僕自身、水谷の素質は高く評価しているし、将来日本を背負って立つ選手として大いに期待しているということだ(実際、このような記事も書いている)。しかし、今回の成績で水谷を選ぶとなると、もう中堅以上の選手は「用なし」と宣言したようなものだ。それが「もう後戻りができない」ということであり、きわめて危険だということでもある。