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今年度の「卓球日本一」は誰に!? 2005全日本卓球選手権を占う

平成16年度全日本卓球選手権大会が11日に開幕する。男女とも絶対的な本命が不在で、大混戦が予想される一般の部のシングルスは誰が頂点に立つのか。卓球ガイドがその行方を占ってみた(写真は前回の選手宣誓)。

執筆者:壁谷 卓

チャンピオンは世界選手権代表に

「日本一の卓球選手」を決める全日本卓球選手権大会が1月11日から16日まで東京体育館で開かれる。種目は、一般男女のシングルスとダブルス、ミックスダブルス、ジュニア男女のシングルスの計7種目。このうち、一般男女のシングルスで優勝した選手は、世界卓球選手権個人戦(4月29日~5月6日、上海)、アジア卓球選手権大会(8月下旬~9月上旬予定、韓国)のシングルス代表権を獲得することになっている。

男女とも絶対的な本命といえる選手は不在で、ベテラン・中堅・若手が入り乱れてのデッドヒートとなることが予想される。


男子シングルス──偉関、松下VS中堅・若手

偉関晴光(健勝苑)、松下浩二(ミキハウス)という実績抜群のベテラン2人に、中堅や若手の選手たちがどう挑むか。すなわち、「偉関、松下VS中堅・若手」という構図で大会が進むのではないかとみている。

この「偉関、松下VS中堅・若手」という構図そのものは、ここ数年の大会に毎年当てはまる。卓球ファンの誰が予想しても、似たようなところに落ち着くに違いない。ただし、今回は少しばかり情勢が異なり、「中堅・若手」の側に本命に近い選手がいる。それが、昨年3月に中国から日本に帰化した吉田海偉(元・宋海偉、日産自動車)である。

吉田海偉
本命に最も近い選手・吉田海偉

本命に最も近い吉田海偉

吉田は帰化後、最初の試合となった4月の日本リーグビッグトーナメントで優勝。日本代表としてITTFプロツアーへの参戦も可能となり、昨年7月に初登場した世界ランク(490位)は今年1月現在90位に上昇し、日本人4番手に位置している。10月の全日本社会人も圧勝で制するなど、いま最も「脂ののっている」選手と言ってもいいだろう。もし勝ち進めば、ベスト8決定戦で松下浩二との対戦が予想される。その試合が優勝の行方を大きく左右する一戦となるだろう。

ベテラン2人は直前の調整次第

その松下浩二は、アテネ五輪への出場後、チームマツシタの仕事(昨年12月のトヨタカップの準備)などで、腰をすえた練習が十分には確保できなかった。加えて37歳という年齢も、身体のキレに微妙に影響しはじめているように思われる。ただし、前々回の大会も故障上がりとは思えないようなプレーで優勝するなど、狙った大会に向けた調整力は抜群であり、さらに「松下ワールド」としか言いようのない会場のムードづくりも巧妙であるだけに、ヤマ場の吉田戦を切り抜ければ5回目の優勝が見えてくるだろう。

偉関晴光は前回の大会、41歳という年齢を感じさせない「オール・フォア」の若々しいプレーで、4回目のチャンピオンに返り咲いた。それは故郷・広西省に戻っての1ヵ月に及ぶ集中訓練の賜物だった。昨年は小西杏のコーチとなったこともあり、自身の訓練にどこまで集中できたかどうかが懸念材料といえるが、今大会前にも前回のような準備ができれば、最有力の優勝候補となるだろう。

このほか優勝の狙えそうな選手となると、前回2位の新井周(グランプリ)、安定感のある遊澤亮(東京アート)のアテネ五輪組、再度ドイツに渡った田崎俊雄(協和発酵)あたりになるだろうか。

ダークホースにあげたい水谷隼

また、あえてダークホースとしてあげておきたいのは、前回最年少でランク入りし、ジュニアで優勝した中学3年の水谷隼(青森山田中)。いわゆる「ドイツ修行組」のひとりだ。12月の世界ジュニア選手権では、同じドイツ組の岸川聖也(仙台育英学園高)とペアを組み、男子ダブルスを制覇した。勝ち進めばベスト8決定戦で偉関の胸を借りることになるが、もしここを突き破るようなことがあれば、その後の対戦相手次第ではひょっとする。
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