逆に、そのツボを押さえていなければ、いくら努力しても上達はおぼつかない。
「ある程度で上達がストップしてしまう選手というのは、基本打法が正しく設定されていないことが多いんです」
大学卓球界の名門、明治大学卓球部の平岡義博監督(株式会社タマス)はそう語る。
それは市民レベルの愛好者はもちろん、実は日本のトップクラスの選手にも見受けられることだという。
逆に、この設定ができれば、とりわけ小さな子供のうちにこの設定ができれば、あとは放っておいても(というのはやや大げさかもしれないが)、その子の努力に比例して強くなっていくケースが多いという。
「上半身の向きと打球点の位置関係が大切」という平岡監督のフォーム |
それはどのようにすれば身につけられるのか。
平岡監督に基本打法の正しい設定について話をお聞きした。
今回はまずフォアハンドの設定のツボを紹介する。
上半身の向きと打球点との位置関係
フォアハンドの打法で最も大切なポイントは、「上半身の向きと打球点との位置関係」だという。簡単にいえば、ボールが身体の正面に来たときに打球できているかどうか、が設定のツボということになる。
この体勢で打球するのが最もパワーを生み出せるからである。
たとえば、上半身が相手の正面を向き、わき腹のあたりで打球していると、パワーのあるボールは打てない。
平岡監督流にいえば、「一番強い状態から外れている」ことになる。
すると、パワーを出すために力んでしまったり、余計な動きが出てきたりして、自分の体勢を苦しくすることになってしまう。