目的と手段が逆転してはいないだろうか。強化本部(ナショナルチーム)の目的はなんなのか。選手の国際競争力を高めることではないのか。そのためにベストの方法を模索するべきではないのか。大事なのは、日本人の手で強くすることなのか、日本の選手を強くすることなのか。いや、そんな疑問を呈するまでもなく、現在マリオ・アミズィッチ氏にあずけているヨーロッパ在住の若手4選手は「日本人の手で育てている」ことになるのだろうか。
強化本部長、副本部長の責任は?
ここで「強化本部」について触れておこう。強化本部というと何かものすごい組織のような印象があるかもしれないが、なんのことはない、本部長、副本部長、男女NT監督の4人の組織である。えっ、たった4人? そう、たった4人である。そのうち2人は男女の監督であるから、実質的には本部長、副本部長の2人が日本の強化方針づくりなどを取り仕切っているということになる。現体制での3年間をやや強引に評価すれば、男子は「もっとがんばりましょう」、女子は「よくできました」というあたりに落ち着く。すると本部長、副本部長の評価は、進退問題でいえば「保留」というのが妥当なところだろう。
ところがこの春、本部長と副本部長の「続投」が決まっていたのである。協会の組織編成の一環とはいえ、両監督にはアテネまでという条件をつけ、「その後」のことは何も話し合われないまま、自分たちの「首」だけは安泰にしたのである。これで他人の首だけを切れるものだろうか。
西村監督はこう話していた。
「いいか、続投を要請することを理事会で決めただけで、俺がOKと答えたわけじゃない。強化の環境が整えば続投しますと言ったまでで、やると決めたわけじゃない。どうなるかわからないんだから、まだ『決まった』とは書くなよ」
理事会が文句なしで続投要請を決めた西村監督が態度を「保留」しているというのは、あまりにも皮肉だ。
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