卓球/卓球関連情報

松下浩二「スタイル」(前編)(2ページ目)

2003年4月17日、プロ生活11年目に突入した松下浩二のインタビュー。前編は、カットと攻撃のコラボレーションによって進化しつつあるプレースタイルなどについて。

執筆者:壁谷 卓

──経験を積んでプレーに無駄がなくなったということですが、その経験を活かせるタイプとそうでないタイプがいるように思います。松下さんは活かし方が上手だなという気がしますけど。

どうですかね。まあ、いろいろ失敗も経験してきていますから、それを教訓にここまでやってきていると思うんで。経験っていうのは、いろいろな状況をよく把握して覚えておいて、それを今後に活かしていくということであって、漠然と時を過ごしていくのが経験ではないですからね。自分を深く分析したり、自分のやっていることを常に反省していかないと、経験は活きていかないですからね。

卓球は相手がいるスポーツですから、相手が何をやってくるのかというのも考えないといけないし、自分のやり方が間違っていないと思っても、相手がそれまでのやり方を変えてきたら負けちゃいますからね。状況に応じてどう判断していくのかが卓球にとっては大切だから。自分が何やりたいかじゃなくて相手が何をしてくるのかっていうことを考えてやるスポーツだと思うし。

20代の選手っていうのは、自分が何をやりたいかばっかりになっちゃうんですよ。経験を積んでくると相手が何をしてくるのかっていうことに重点をおいて、それに対して自分が対応していくっていうふうになってきますね。

──リアクションが巧みになってくると。

そうですよね。

──そういった中で築き上げてきた新しいスタイルが、徐々に完成の域に近づいてきているようにみえますが、ご自分の目標とするところからみたとき、いまはどのあたりまで来ているんでしょうか。

いや、ほど遠いですね。まだまだ、ほど遠いです。全然近くに来ているとは思わないですね。ほんのこれっぽっち、10%か20%ぐらいしか近づいていないですね。やり方ももっともっと変えていかないと強い選手には勝てないし、ただ単に拾っているだけじゃ勝てないですからね、世界では。カットの部分はある程度完成されているんですけど、攻撃の部分がまだまだ。手数が少なすぎるんで。日本の選手の場合は僕が打つチャンスをたくさんもらえますけど、強い選手とやった場合は打つチャンスほとんどないですからね。
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