チーム戦は中国が優勝した。若手主体でよく優勝をしたと思う。今回の中国チームの良かったところは、同じプレースタイルの選手がいなかったことだ。劉国正は両面裏ソフト、王浩は裏面打法を用いる中国式ペンホルダー、唐鵬はフォアが裏ソフト、バックが表ソフトの速攻型。侯英超はバックに表ソフトをはったカット主戦のオールラウンド。王建軍は日本式のペンホルダー。よくこれだけ違うタイプの選手をそろえられたと思う。
侯英超は決勝の台湾戦で蒋澎龍に3対0で勝つ殊勲を上げた。カットがまだ不安定で、シングルスでは高礼澤に0対4で負けたが、カットの安定性と試合運びを良くすれば世界のトップ10に入る可能性はあると思う。戦型的にもこれから中国に必要な選手になるだろう。
王浩は、今、中国で一番伸び盛りの選手だ。昨年からめきめきと力をつけてきており、1月のクロアチアオープンでも優勝をしている。バックの裏面打法を完璧に習得しており、台上でのフリック(払い)も裏面で行う。男子シングルスで優勝したのは順当だと思う。
唐鵬のプレーはとても速い。台から離れずにサーブ、レシーブから積極的に攻めていく。シングルスでは張?、荘智淵(台湾)、柳承敏(韓国)に勝って決勝に進出をした。劉国正は、チーム戦でもシングルスでも柳承敏に負けた。活躍した大阪の世界選手権から調子を落としており、良い成績を収めることができない状態である。
シングルスは、日本選手では自分と田崎がベスト16に入るにとどまった。自分は蒋澎龍に1対4、田崎は柳承敏に0対4で敗れた。
アジア選手権は年々規模が小さくなっているような気がする。会場の雰囲気もあまりよくなく、さびしく試合をしている感じがある。会場の雰囲気によって選手のプレーも変わる。ただ単に試合をこなすだけではなく、もっと演出と観客がほしいものである。ヨーロッパ選手権のようなステイタスのある大会になってほしい。(了)
松下浩二選手の手記はいかがでしたか? メダル獲得はなりませんでしたが、世界選手権パリ大会での活躍を期待したいと思います。なお、世界選手権の前には、松下選手へのロングインタビュー記事を掲載する予定です。お楽しみに!
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