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松下浩二手記「アジアを戦って」(3ページ目)

2月下旬に開かれた第16回アジア選手権バンコク大会に出場した松下浩二選手が手記を寄せてくださいました。団体準々決勝の香港戦、優勝した中国チームの模様が描かれています。

執筆者:壁谷 卓

チーム戦は中国が優勝した。若手主体でよく優勝をしたと思う。今回の中国チームの良かったところは、同じプレースタイルの選手がいなかったことだ。劉国正は両面裏ソフト、王浩は裏面打法を用いる中国式ペンホルダー、唐鵬はフォアが裏ソフト、バックが表ソフトの速攻型。侯英超はバックに表ソフトをはったカット主戦のオールラウンド。王建軍は日本式のペンホルダー。よくこれだけ違うタイプの選手をそろえられたと思う。

侯英超は決勝の台湾戦で蒋澎龍に3対0で勝つ殊勲を上げた。カットがまだ不安定で、シングルスでは高礼澤に0対4で負けたが、カットの安定性と試合運びを良くすれば世界のトップ10に入る可能性はあると思う。戦型的にもこれから中国に必要な選手になるだろう。

王浩は、今、中国で一番伸び盛りの選手だ。昨年からめきめきと力をつけてきており、1月のクロアチアオープンでも優勝をしている。バックの裏面打法を完璧に習得しており、台上でのフリック(払い)も裏面で行う。男子シングルスで優勝したのは順当だと思う。

唐鵬のプレーはとても速い。台から離れずにサーブ、レシーブから積極的に攻めていく。シングルスでは張?、荘智淵(台湾)、柳承敏(韓国)に勝って決勝に進出をした。劉国正は、チーム戦でもシングルスでも柳承敏に負けた。活躍した大阪の世界選手権から調子を落としており、良い成績を収めることができない状態である。

シングルスは、日本選手では自分と田崎がベスト16に入るにとどまった。自分は蒋澎龍に1対4、田崎は柳承敏に0対4で敗れた。

アジア選手権は年々規模が小さくなっているような気がする。会場の雰囲気もあまりよくなく、さびしく試合をしている感じがある。会場の雰囲気によって選手のプレーも変わる。ただ単に試合をこなすだけではなく、もっと演出と観客がほしいものである。ヨーロッパ選手権のようなステイタスのある大会になってほしい。(了)



松下浩二選手の手記はいかがでしたか? メダル獲得はなりませんでしたが、世界選手権パリ大会での活躍を期待したいと思います。なお、世界選手権の前には、松下選手へのロングインタビュー記事を掲載する予定です。お楽しみに!
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