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松下浩二手記「アジアを戦って」(2ページ目)

2月下旬に開かれた第16回アジア選手権バンコク大会に出場した松下浩二選手が手記を寄せてくださいました。団体準々決勝の香港戦、優勝した中国チームの模様が描かれています。

執筆者:壁谷 卓

1対1で迎えた3番は坂本対李静。坂本は健闘したが、経験の差が出て0対3で李静に敗れた。試合後、坂本に感想を聞くと、「頭の中が真っ白になってしまった」と言っていた。怪童と言われている坂本も、まだ18歳。国の代表としての重責を感じたのだろう。日本チームを、国の威信を背負ってプレーするということは、意識をしなくてもプレッシャーがかかる。そういう中でも、自分のプレーができるようにならなくてはいけない。それにはもっと経験が必要である。今回、坂本は貴重な経験をしたと思う。

4番は自分と高礼澤。高礼澤と対戦するのは初めてである。対戦前は、高礼澤はドライブに威力がないので、接戦にはなるが勝てると思っていた。しかし、実際に試合をしてみると、自分のフォアに流れてくるドライブのコースが分かりにくい。第1セット、0-5とリードをされ、「まずい!」と思った。とにかくフォアに流れてくるボールだけを気をつけるようにしたら、相手の強打をうまく返球することがきるようになり、7本連続でポイントをして逆転することができた。結局、このセットを17-15でものにしたのが大きく、3対0で高礼澤を下すことができた。

これで2対2になり、アジア競技大会の時と同じく、ラストまで試合がもつれることになった。

ラストは遊澤対張?。遊澤は1、2セットを接戦で落としたが、徐々にプレーが良くなり、3セット目をものにした。4セット目も出足がよく4-2とリードをした。しかし、相手のファインプレーもあり逆転されてしまい、そのまま1対3で敗れた。遊澤は相手を追いこんでいくが、決定力に欠ける。ボールをとらえるタイミング、プレーの位置は良いので、それを生かせるスタイルがもっと必要だと思う。

アジア競技大会のリベンジを果たすことができなかった。残念である。
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