卓球/卓球関連情報

松下浩二手記「アジアを戦って」

2月下旬に開かれた第16回アジア選手権バンコク大会に出場した松下浩二選手が手記を寄せてくださいました。団体準々決勝の香港戦、優勝した中国チームの模様が描かれています。

執筆者:壁谷 卓

第16回アジア卓球選手権大会が2月22日から28日まで、タイのバンコクで開催されました。日本男子のリーダー松下浩二選手は1998年に大阪で開かれた第14回大会以来、2大会ぶりの参加。団体戦とシングルスに出場しました。松下選手の目に映ったアジア戦とは……。


今回のチーム戦は、アジア競技大会と同じく、中国、韓国、台湾、日本、香港の争いとなった。中国は今回もベストメンバーではなく若手を送り込んできた。それほどアジア選手権にウェイトを置いてないのだろう。その他の国々は、ベストメンバーで参加をしていた。

日本男子は予選リーグを3戦全勝で決勝トーナメントに進んだ。決勝トーナメント1回戦の準々決勝は、アジア競技大会で2対3で負けている香港との対戦となった。アジア競技大会の時と同じく、自分と遊澤亮(東京アート)が2試合に出て、真ん中の3番には坂本竜介(青森山田高校)が起用された。対する香港は、エースの張?(世界ランキング25位)と高礼澤(世界ランキング30位)が2試合、3番は李静(世界ランキング50位)というオーダーだった。

1番で自分が張?と対戦した。アジア競技大会の時に1対3で負けた相手だが、今回は自分に作戦があった。張?のフォアハンドはスピードも回転力もあり、強打をされるとなかなか返球ができない。しかし、安定性はあまりなく、ラリーに持ち込むとミスが多い。そこで、あまりカットを切らずに、低く返球していく作戦にした。これがうまくいき、張?は低いカットを強打してミスを繰り返し、3対0で勝つことができた。

2番は遊澤対高礼澤。高礼澤は最近めきめきと世界ランキングを上げてきている。彼は表ソフトを使っている選手に強く、アジア競技大会の時に田崎俊雄(協和発酵)に3対0で勝っており、中国リーグでも劉国梁に3対0で勝っている。高礼澤は、遊澤が表ソフトを使っているバック面にボールを集め、緩急をつけたドライブで攻めてきた。遊澤はフォアとバックにうまく揺さぶるが、ゆっくりとした低いドライブを使ってくるので、なかなかカウンターをすることができない。結局、0対3で遊澤は敗れた。
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