世界選手権の出場経験をもつ三田村宗明(青森大学)が、この春、中国に渡る。河北省の「河北六通」というチームに所属し、そこを練習拠点としながら、タレント(才能)がひしめく中国リーグに参戦する。三田村が海外のリーグでプレーするのは、ベルギーの「シャルロワ」に続いて2度目となる。
中国リーグは、中国代表メンバーが多くプレーする「超級(スーパーリーグ)」を頂点に、A級、B級、C級とクラスが分かれており、三田村の所属する河北六通はA級。
「ぼくは練習がしたかったんです。超級は完成された選手が多くて、練習量が少なくなってしまうから、考えませんでした。A級は、ずば抜けた選手はいないけど、練習をやり込んでいる若い選手が多いから」
一から身体を鍛えなおすため、専属のトレーニングコーチもつける。シャルロワ時代のプリモラッツ(クロアチア)を参考にしたという。
「一緒にいろんなトレーニングをやったんですけど、どういうトレーニングがどう影響するか、自分ではまだわからないから。そういうのも勉強したいな、と。日本に帰ってきても、一人でできるじゃないですか」
中国行きのきっかけは、「迷い」だったという。「迷っていたんですよね、去年は。何をやったらいいのか、まったくわからない状態でした」。
全日本選手権では高校3年以来、4年連続のベスト8。世界で勝つことを目指す21歳の三田村にとって、18歳の自分をいまだ超えられないのは、「壁にぶつかった」という以外の何物でもなかった。
「フォアハンドだけでは勝てない、限界だと思って、バックハンドを中心に練習していたんです。でも、どういう練習をしたらいいのかわからなくて。コーチがいればそれに従ったと思うんですけど、不安で、ころころ変えちゃうんです」
プリモラッツから、「フォアハンドは世界レベルだ。ただ、バックハンドは中学生レベル」と言われたという。その評価の通り、三田村の持ち味は、多彩なフォアハンドドライブとそれを支える速いフットワークだが、ことバックハンドをみたら、153位という世界ランキング(03年2月発表)は不釣合いに思えてしまう。