卓球/卓球関連情報

2002全日本選手権より(1) 67歳の伊藤和子、通算100勝達成(2ページ目)

全日本選手権が開幕した18日、女子シングルス1回戦で67歳の元女王・伊藤和子(三重・エクセディ)が高校生の瀬島彩華(富山商業)を3-1で破り、シングルス通算100勝を達成した。

執筆者:壁谷 卓

「それでも、去年の99勝が限界だったんですよ」

96年に98勝目をあげたものの、その後4年間は勝ち星に恵まれず、1勝の上積みに5年を要した。

「あれでやめるべきだという気持ちだったんですけど、どうしても納得いかない負け方だった。あそこをどうにかすればもっといけたんじゃないか。それを追求したいな、と」

一昨年の大会から40ミリボールが導入され、卓球を始めて以来使いつづけてきた、愛着のある「一枚ラバー」では打球が飛ばないのだ。昨年の大会終了後、伊藤は決心した。弾みをよくするため、スポンジ付きの表ソフトラバーに替えたのである。

それだけではない。スピードボールに足がついていけなくなったため、両サイドをカバーしやすいシェークハンドにすることも考えたというのだ。67歳になった元世界チャンピオンが、である。バックハンドがどうしてもペンホルダーの動きになってしまうため断念したが、勝利への貪欲さ、探究心は、全盛時を彷彿とさせるものがある。

2回戦では96年全日本2位の松岡りか(京都・宮津卓協)に完敗した。が、そのあとのセリフがニクイ。
「足でやるのが卓球。用具じゃないことが、今日の試合でわかった」

大会には、伊藤の孫の池田和正(静岡・吉原一中=写真左)が初出場を果たした。2人で同じ大会に、それも日本の最高峰の大会に出場できたこと、自分の好きな卓球を受け継いでくれることがたまらなく嬉しいという。
「だから今回、どうしても100勝したかった」

全日本選手権への出場はこれでピリオドを打つ予定だ。しかし、卓球をやめるつもりはまったくない。

「これからはマスターズの記録を伸ばしてゆきたい。卓球から離れたら生きる目標がなくなってしまうから」

記録は破られるためだけにあるわけでもないようだ。
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで卓球関連の商品をチェック!楽天市場で卓球関連の商品をチェック!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます