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「ジャパンオープン2002」男子ダブルス優勝 田崎俊雄、鬼頭明ペアの可能性(2ページ目)

ITTFプロツアー「ジャパンオープン」の男子ダブルスで、田崎俊雄、鬼頭明ペアが優勝した。決勝戦と記者会見の模様を中心としたレポート。

執筆者:壁谷 卓

史上最年少の15歳でブンデスリーガの舞台に立ったボルは、「ドイツの新星」と期待されたとおり、着実かつ急速に成長し、今年2月のヨーロッパトップ12、4月のヨーロッパ選手権では男子シングルスのタイトルを獲得。まだ21歳の若武者だが、押しも押されもせぬ「ヨーロッパの顔」となった。

そのボルは、田崎がゲナンに所属していたときのチームメートである。そのためか、お互いにお互いのボールの処理に慣れているように見える。田崎がボルのドライブに鋭いカウンターを見舞えば、ボルはボルで田崎の表ソフト特有の打球を苦にしない。

それがスコアにはっきりと表れた。ボルの打球を田崎が処理する(ボル→田崎→シュテーガー→鬼頭)第1、第3、第5の奇数セットは日本ペアがとり、田崎の打球をボルが受けた(田崎→ボル→鬼頭→シュテーガー)第2、第4、第6の偶数セットはドイツペアが奪い返すという展開で最終セットを迎えることになった。

後半は苦手な「回り順」になるため、前半で離しておきたい日本ペアは幸先よく3-0とリードした。ここでドイツペアがタイムアウト。流れを寸断された日本ペアは、3-2と詰め寄られるものの、再び差を広げ、5-2でチェンジエンドを迎えた。

ここからの数本が勝負をわけるのではないか、と思えた。前の第6セット、日本ペアは出足から躓き、相手に一方的にリードを許した。ところが、ドイツペアが「ラク」にとろうとしたのか、日本ペアの開き直りが奏効したのか、2-8の局面で日本ペアは小気味よく5点連取し、7-8と詰め寄ったのだ。

そのときの日本ペアのいいイメージが、ドイツペアにとっては嫌なイメージが、最終セットに影響したように見えた。日本ペアが5-2から2点連取。その後は一進一退の攻防がつづき、点差はなかなか縮まらない。9-6から、シュテーガーのサービスミスですべてが決まった。

優勝が決まった瞬間。ガッツポーズをする鬼頭(中央)と、呆然とするシュテーガー(右)
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