プロ生活10年目を迎えた松下浩二選手のメモリアル・インタビュー。前回(6回目)の記事はこちら。最終回の今回は「結婚の選手生活への影響」などについてお話くださいました。
「生活自体が独身のときよりもすごく安定してるっていうか、楽しいですよ」(松下)
──プライベートなことも含まれるのですが、ご結婚されて間もなく1年ですけど、お互いが選手で、結婚したことによる選手生活への影響とか変化というものはありますか。
「正直なところ、結婚したから嫁さんのためにがんばろうとか、そういうのは僕は全然考えてないです。嫁さんには悪いですけど、はっきり言って、自分のためにやってることですし。嫁さんのためにやってて成績がいいって思う方もいますけど、自分のために成績を残そうとか、そういうふうに考えて卓球やってますからね。
自分の中で変わった部分は至って単純で、家に帰ったら、そこにもうひとりの人間がいるっていうか、パートナーがいるっていうことで。結婚して毎日楽しく生活してるっていうのが変わったところですね。生活自体が独身のときよりもすごく安定してるっていうか、楽しいですよ。それが違う部分ですね」
──たとえば、負けて落ち込んでも、そういうものを引きずらないっていう感じですか。
「引きずらないし、嫁さんも自分の成績に対してあんまり口に出さないタイプですからね。もちろん、勝ったときは喜んでくれてるんですけど、負けたときにかける言葉とか、やっぱり同じスポーツ選手なんでわかってるんでしょうね。なぐさめられるよりも、『負けても自分が悔しいだけだから。私は関係ないよ』っていうふうに言われたほうが、僕はがんばるほうだし、実際そうだし。
ですから、まあ、嫁さんに助けられてる部分っていうのが大きいですね。僕は嫁さんのためにがんばってるわけでもないんですけど、嫁さんに助けられてる部分っていうのは、すごくありますよ」
──やっぱり精神的な部分ですか。
「そうですね。別に卓球の技術の話なんてしないですけど(笑)」