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2006年男子テニスは「フェデラーVS追随組」

フェデラーの強さだけが際立った2005年。今年も間違いなくフェデラーが中心に回るだろうが、注目の選手にもスポットを当て、今年の男子ツアー界を占ってみたい。

執筆者:伊藤 一幸


男子も2006年のシーズンが年明け早々からスタートしている。昨年はロジャー・フェデラーを中心にツアーが回っていたといっても過言ではないであろう。全豪と全仏はベスト4、全英と全米で優勝を果たしている。選手、関係者からフェデラーは次元が違うと言わさしめたほどである。

女子ツアー界は実力が拮抗しまさしく戦国時代に突入していているが、果たして、2006年の男子ツアー界がどうなるのか予想を立ててみたい。

フェデラーの君臨は間違いない

昨年同様、フェデラーを頂点にして、彼に続くトップ集団が凌ぎを削るという形式なるのではないだろうか。

女子よりも比較的ランキング上昇、下降が激しい男子ツアー界ではあるが、注目はフェデラーに続く第2集団がどう形成されるかだ。そして、フェデラーを誰が倒すかだということが最も興味を引く話題ではないか。

クレーコートでは圧倒的な強さを誇るラファエル・ナダルが他のサーフェス
でも強さを発揮できれば、フェデラーを脅かす筆頭となるであろう。

世界最速のサービスと強烈なフォアハンドを武器に試合を支配するアンディ・ロディックは課題であるバックハンドと、ときどき早い段階で姿を消してしまう取りこぼしさえなければTOPを狙える力は持っている。

そして、レイトン・ヒューイット。昨年末に父親となったことで、その自覚と責任感が芽生えたことで、もともと強いメンタルを持っていた彼の強みが更に増したといえよう。持ち前のコートカバー力でコートを駆け回り、チャンスを待ってのカウンターが決まりだしたら、TOPへの扉が開く。

デ杯でクロアチア初優勝の立役者となったイヴァン・リュビチッチ。身体能力が高くサーブ、ストローク、ボレーと起用にこなす。これぞリュビチッチという武器を身に付けたらフェデラーの牙城を崩すことができるであろう。去年、フェデラーを一番苦しめたのもリュビチッチである。今年のダークフォースであることは間違いない。

ケガからの復帰が待ち遠しいマラト・サフィン。昨年後半、ケガにより戦線離脱してしまったが、全豪を制したときの強さが戻れば、そのパワーでフェデラーも打ち崩す力はある。ここ数年で課題であったメンタル面もタフになっているので大いに期待したい。

そして、いぶし銀のアンドレ・アガシ。今年で35歳、ツアー最年長。一時期のただひたすらに強打を放ち相手を圧倒させる戦法は影をひそめた感がある。しかし、相手をじっくり観察し攻守を上手く使い分け、ここぞというときにたたみ掛けるように仕掛ける戦い方はまさに「いぶし銀」という形容がフィットする。1年を戦い切る体力を維持するために、昨年同様、大会数を絞ってのエントリーとなるだろうが、そう簡単には負けない。それがアガシの強さであり、人気の根源でもある。

上位陣では、昨年のチャンピオンシップで優勝し好調をアピールしているデビッド・ナルバンディアンや着実にランキングを上げてきているフェルナンド・ゴンザレス、そして成長著しいロビー・ジネプリやリシャール・ガスケの勢いにも注目したい。

さて、更にジュニア時代から大きな注目を浴び着々とランキングを上げてきているマリオ・アンチッチ。今年はその真価が問われる一年となるであろう。

何かきっかけを掴めば今年は一気にTOP集団への仲間入りを果たすことができるであろう。恵まれた体格と速く、強く、正確なサービスで相手を崩しボレーで仕留める彼のプレースタイルは観るものを引き付ける。本人も「今年こそ」と強い気持ちでスタートを切るであろう。

以上、名前を挙げた選手らが中心となりツアーが周っていくであろうことが予想できる。しかし後半調子を落としてはいるが実力は折り紙つきのギレルモ・コリアや、今やベテランの域に達してきているカルロス・モアも復調の兆しが見えはじめ活躍が期待できる。
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