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2005年女子テニスツアーを振り返る(4ページ目)

11月に開催されたチャンピオンシップで今年の女子ツアーが幕を閉じた。今回は、女子ツアー界の一年を振り返ってみたい。

執筆者:伊藤 一幸

今年活躍した注目の選手

中盤から後半にかけて、ティア?、ティア?では注目を浴びていた若手がメキメキと、その素質を開花させランキングを急激に上げてきた。今年、活躍が顕著だったニューカマーにスポットを当ててみたい。

今年は昨年のシャラポワほどのセンセーショナルな選手は現れなかったものの、2006年の更なる活躍を大いに期待してしまう選手を3人紹介したい。なんとそのうち二人はアジア人だ。

1)ニコレ・バイディソバ(チェコ/16歳/最終ランキング15位)
「2005年注目選手」として今年冒頭の記事でクローズアップした選手が見事にその力を開花した。

プロデビューが2003年。昨年はランキング圏外から77位へ。そして今年最終ランキングが15位。デビュー僅か3年でトップに躍り出たのだ。これには目を見張るものがある。

4大大会では全仏2回戦、全英3回戦、全米4回戦と着実に勝ち上がり、全米後のアジアツアーではAIGオープン含む3大会で連続優勝を果たし一気にランキングを上げてきた。彼女が注目されるのは強さだけでなく、その美貌だ。

ここ最近の顕著な活躍と美貌で否が応でもシャラポワと比較される機会が多くなったが「私は私。」と言い切っている。

2)ポン・シュアイ(中国/19歳/37位)
彼女の武器は両手両打から繰り出される強打だ。2000年にプロデビューを果たしてから着実に実績を上げ、今年の活躍で大幅にランキングを上げ、今やアジア第3位にまで付けている。

中国の選手といえばN・リー選手がその代表的な存在ではあったが、今年の夏からは中国人選手の主役の座はポン・シュアイへと移った。今年、彼女が破ったトップ選手はA・ミスキナ、M・ピアース、そして26連勝中で絶好調のK・クライステルスというビッグネームを打ち破っている。負けてしまったものの全仏ではL・ダベンポートに対しあと2ポイントで白星を挙げるところまで追い詰めている。

以下はK・クライステルスが自らの連勝記録をストップされた直後のインタビュー。

私が対戦してきた中で最高の選手の一人。将来トップ3に入る可能性がある

とまで言わしめたほどだ。

3)サニア・ミルザ(インド/19歳/34位)
昨年最終ランキング206位から今年1年で一気に30位台にまでランキングを上げてきた大注目の選手だ。

何といっても彼女の武器は男子顔負けのハードヒット。特に強烈なフォアハンドは観衆すら黙らせるほどの威力を持つ。今年のAIG OPEN、興味津々で試合コートに足を運び驚いた。ボールをヒットするときに響く音が明らかに違う。「バンッ!」という打球音は今も忘れられない。

イスラム教・ヒンズー教の宗教色の強いインドでは女子選手が世界で活躍することは少なかった。そのような状況下、ミルザは数々のインド女子選手の記録を塗り替え、今はインド女性の社会進出の象徴的な存在になっている。

現在、アジア人では杉山愛に次ぐランキングに位置づけている。AIG直後のバンコクの大会では上位進出が期待されたが2回戦で腰痛が悪化しリタイア。その後、治療と休養のために一足先にシーズンを終えているのが気になるところ。
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