AIG OPEN男子ダブルス 画像提供:tennis365.net
AIG OPEN男子ダブルス 画像提供:tennis365.net
前回の記事で男子ダブルスの新しいルールと2008年に導入されるランキングシステムについて言及した。

ここ何年かで他のスポーツでもルールが変更している。ルール変更があった一番有名なスポーツといえば、バレーボールではないだろうか。ラリーポイント制、リベロ制を導入したときはメディアでも大きく取り上げられ注目を浴び、今では新しいスタイルがすっかり定着している。

テニスもここ数年の間で「ルール変更」という動きはあった。例を挙げると、ラケットの進化、技術・筋力の向上によりサーブの威力が増し、サーブでポイントが決まってしまうケースが多く、試合が淡白になり面白くないという理由でボールの重さを変えようということや、サービスを1stサーブだけにしようという動きまであった。しかも、実際にエキジビションで試したことすらあったのだ。

が、しかし、結局は何の変更がないまま今に至っていた。他のスポーツを含め、ここ何年かの動きでテニスにおいてもルールが変わることは有り得るだろうと心積もりはしていた。

ルール変更にあたり、大事なのは「なぜ変えるのか」が明確であり、「どう変えていくか」ということ。そして、その変更が選手に受け入れられる変更であることだと思うのである。

ルール改正について物申す!

今回の一連の背景にはテニスを何とかしたいという根底のもとATPが動き、調査を行い、審議と討議を重ねた結果のルール改正であったと信じたい。ATPが公式に発表したその大義名分は

「ダブルスの試合時間を短縮すれば、もっとたくさんの選手がダブルスに出場し大会が活性化する」

とのことだった。興行として成り立たないほど窮地に追い込まれ、「改善という名の元に」ルールが変更されその結果、ダブルスの人気が上昇し集客率アップに結びつくのであれば、選手・テニスファンが納得するであろう。よほど突拍子もない内容の変更でなければ。

そして、なぜ変更をしなければならなかったのか、その理由を、選手、テニスファンに対し十分な説明がありさえすれば。

しかし、今回は我々を納得させるだけの十分な説明はなかった。

しかも、一番大事なルール変更の内容もヒドイものだった。大義名分の元、変更になったルールは「5ゲーム先取、ノーアドバンテージ」。変更内容があまりに安易で、しかも随分大胆な短縮の仕方に開いた口が塞がらなかった。ダブルスを軽視しているという心象をどうにもこうにも払拭できず、ダブルスに対する「冒瀆」に限りなく近い内容だと思えて仕方がない。

例えば、野球のルールがテレビの放映時間の都合で7回までに変更。サッカーも試合が長すぎるので30分ハーフに変更。そうなったら、果たしてどうなるだろう?個人的には同じ次元の問題だと捉えている。

冒頭でバレーボールのルール変更について少し触れているが、ラリーポイント制、リベロ制の導入の際、賛否両論があったはずだ。慣れ親しんだものを変えようとするのだから当然のことであろう。

しかし、今のバレーボールはどうであろう。明らか競技自体の魅力がアップしたように思える。バレーボールの場合、ルール「改善」であるといえるが、今回のダブルスの場合は改善でなく、ただの変更に過ぎない。

言いたいことは二つ。一つはダブルスのルールを変更しなくてはならなくなった納得のいく理由がほしかった。そして、もう一つはもう少しソフトな変更であってほしかった。

>>次のページでは2008年に導入予定のランキングシステムに関する異論を唱えている。>>