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本間ゴルフ、パーシモンウッドの行方(2ページ目)

19世紀の昔から愛用されながら、金属性ヘッドの登場により、姿を消したパーシモン(柿材)ウッド。パーシモンウッド製作で一世を風靡し、良質の素材が保管されているという、本間ゴルフの酒田工場を訪問しました。

児山 和弘

執筆者:児山 和弘

ゴルフガイド

本間パーシモンの行方

山形県の本間ゴルフ酒田工場に、麻袋に詰められた大量のパーシモン材が今も残っていた…
他のゴルフメーカーが、早々にチタンやステンレス製のクラブへと移行する頃、本間はかなり長期間パーシモンクラブの製造を継続。その中で、ヘッドの大型化、低重心化など、世界的にも例をみないパーシモンウッドの進化があったのですが、残念ながら木材→金属という時代の大きな流れには逆らえず、遂に本間ゴルフでもパーシモンウッドの製品ラインナップがほとんど行われなくなりました。

さて、今回ガイドは、山形県にある本間ゴルフの酒田工場を見学する機会に恵まれました。

十分に乾燥し、大まかに削られたパーシモンブロック。ここで木目や染みの有無などを管理する。天然素材だけに、使用できる質の高い素材は数少ない
実は以前から、ウッドの生産が終了した後、パーシモンの大量の原木が本間ゴルフ酒田工場に眠っているという噂を聞いていたのですが、数年前に株主が変わり、創業者一族から経営が変わった際にすべての原木を焼却したという噂もこれまた聞いていて、どうしても事の真偽を確かめたいと思ってもいました。

パーシモンの原木は、アメリカ、ミシシッピ川の周辺に樹齢数十年から百年を超えるものをヘリコプターで上から狙いを定めて、伐採するといいます。品質の良さはもちろん、木目の良し悪しも見極めるため、大木からクラブに出来るのはほんの数パーセント。その選りすぐりのパーシモン材が、本間では大量に保管されていたといいます。

もし、焼却されていたとしたら、とても悲しいことです。結論から言うと、パーシモンの原木は、焼却されることなく、本間ゴルフに大切に保存されていました。何といっても12月の山形。凍えるような寒さの巨大な作業棟の中に、まさに壮観としか言いようのない、うずたかく積まれたパーシモン素材の山が静かに保管されていたのです。

工場の中にまで寒風が入り込むような寒さの中で、美しい木目を描き、引き締まったパーシモンブロックを手に取るとずっしりと重く、自然だけが生み出しえる確かな手ごたえを感じたような気がしました。

>>次は、パーシモンの現在 >>
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