マスターズは、日本人プロ苦闘の歴史そのもの
例年、名手たちが池ポチャする「アーメンコーナー」。※写真は13番ホール |
1972年から毎年2人以上の日本人プロが出場していますが、伊澤利光選手のそれを含めてもベストテンに入った例は、86年の中嶋常幸選手の8位、過去18回出場している尾崎将司選手73年の8位、1991年に中嶋プロ、尾崎将司プロともに10位、合計してもたった5回しかないのです。
日本ツアーで目覚しい成績をあげている多くのトッププロが、オーガスタナショナルGCの難易度とマスターズの雰囲気で思うようなプレーができず、良い成績が残せないでいます。特にデビュー戦の戦歴は、前出の伊澤選手の4位と1982年の羽川豊プロの15位を除くと惨憺たるもの。多くのプロが予選落ちか、かろうじて予選を通るような状況です。
オーガスタナショナルGCとマスターズという試合自体が、コース攻略や試合運びなどにおいて経験が必要とされているのでしょう。タイガー・ウッズもデビューイヤーは41位。マスターズが、複数回優勝者が多いトーナメントであることもそれを裏付けていると思います。
2002年以降のコースの大改造によって大幅にコース距離が伸びてからは、日本人選手はさらに不利になったといえます。それ以降、日本人選手が予選落ちした確率は68.75%(※のべ16人中11人が予選落ち)。全く歯が立たない状況が続いています。