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シャローフェースへと進む最新ドライバー(3ページ目)

ヘッド体積の大型化に連動するように、ディープフェースの度合いを強めてきたチタンドライバーの歴史に遂に変化が。シャロー化のはじまった最新ドライバーの傾向を解説します。

児山 和弘

執筆者:児山 和弘

ゴルフガイド

慣性モーメントをさらに大きく

テーラーメイド「バーナー」ドライバーのヘッド上部。投影面積が大きくなるよう工夫されている。
ドライバーのシャロー化という傾向の端緒となったのは、ナイキの「サスクワッチ」とテーラーメイド「バーナー」でしょう。

「サスクワッチ」は2006年発売。思い切ったシャローフェースと投影面積(構えたときに見えるヘッドの大きさ)を大きくしたデザインは、これまでのドライバーの伝統的なヘッド形状を大きく覆すものです。さらにナイキでは、シャロー化と投影面積の大型化を進めた四角形形状のドライバー、「サスクワッチ SUMO2」を発表。独特の四角形のヘッド形状は、慣性モーメントを大きくするのに適しており、過去にないやさしい(ミスになりにくい)ドライバーとなりました。

テーラーメイド「バーナー」は「サスクワッチ SUMO2」とは異なり、比較的伝統的なドライバー形状に近いモデルですが、周辺重量配分を強調しており、慣性モーメントを大きくするという傾向を決定づけました。同時期に出た同じくテーラーメイドの「r7 スーパークワッド」も460ccとヘッド体積は変わりませんが、構えてみるとその大きさの違いは一目瞭然。「バーナー」はシャローフェースの分、ヘッドが後方部分に張り出し、見た目はかなり大きく見えます。

こうしたヘッド形状の変化の理由として考えられるのが、ヘッド体積の規制です。著しいドライバーヘッドの巨大化に歯止めをかけるため、ヘッド体積460ccという基準がゴルフルールに設けられました(※10ccの誤差は認められる)。ヘッドのやさしさを示すといわれる慣性モーメントの数値は、これまではヘッドの大型化に比例するように大きくなっていきましたが、ヘッド体積の規制以降は460ccという限られた範囲内で慣性モーメントを大きくする工夫が求められます。そのためヘッド後部が張り出したような重量を周辺に配分するデザインが生まれたと考えられます。

また、ヘッド体積の大型化に伴い、既に十分ディープフェースになっていることもあげられるでしょう。多少シャローフェースだとしても以前のモデルに比べると十分にフェース厚のあるヘッドになっています。

>>次は、今年のNEWモデルの動向について>>
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