「レスラーってさ、やっぱり強いのは当たり前」

藤原喜明インタビューを実施した日は、偶然にも藤原のデビュー36年となる11月12日だった (C)kawazu
“テロリスト”藤原喜明。アントニオ猪木、カール・ゴッチを師と仰ぎ、時にレスラーとして、時に用心棒として、時に道場の守り主として、新日本プロレスからUWF、プロフェッショナルレスリング藤原組を渡り歩いた別名“関節技の鬼”。今年で積み重ねたキャリアは36年、藤原が追い求めたあくなき強さや確固たる技術は、プロレス界の大きな財産として残る。

2008年には胃ガンを乗り越え、待望のリング復帰を果たし、12月に行われた「昭和のプロレス」では、メインイベントで初代タイガーと激突。59歳という年齢ながらも、昨今のプロレスでは見ることのできない凄味、そして、命を削る壮絶な戦いを見せつけたのだった。


――昨今のプロレス界を見た時、かつて我々が憧れ、愛したプロレスとは大きな違和感を感じることが少なくありません。特に、説得力やリアリティの欠如が占める影響は強いと考え、平成と昭和(1989年以前)のプロレスにおける違いや所感を藤原さんのファイティングヒストリーとともにお聞きしたいと思っております。

「俺らの時はさ、いつ始まるのかって思ったでしょ?コレ(と、シュートサインを作る)。カッーっとなったら、いつでもいったからね。猪木さんから“今日いいぞ”なんていわれたらさ」

――最近のプロレスですと、派手な受身や、立体的な技、流れるような攻防も増えてはいるのですが、どうもリアリティに欠けます。

「まあ、何をやってもいいんだよ。基本をしっかりやってればさ。で、チラチラと“コイツは本物だぜ”ってやっておけばいいわけ。でしょ?」

――そういうことがあったから、リングに緊張感があったのですか?

「そういうことじゃないの?だから、レスラーってさ、やっぱり強いのは当たり前。プラスアルファで食ってる訳だから。客だってバカじゃないよ。柔道やってるヤツや、レスリングやってるヤツらは本物がわかる」

――そうですね。プロレスが戦いというなら、選手から強さ弱さを感じることがめっきり少なくなりました。

「まあ、時代も変わったよな。こういうことをいえるようにもなったっていうのもね」