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綱川先生に聞く、ドーピングについて(2ページ目)

この業界だけに限った話ではないが、プロレス界に蔓延するドーピングの問題は深刻だ。その副作用により命を落とすレスラー絶えない現状、リングドクターでもお馴染み、綱川先生に話を伺った。

執筆者:川頭 広卓

医師、選手、ファン。全ての顔を持つ綱川先生に聞く

――本日は、プロレス&格闘技のリングドクターとしても活躍する綱川先生に色々とお話を伺っていきたいと思います。もともと、先生がプロレス&格闘技と関わりを持ったきっかけというのは?

綱川先生「もう、子供の頃からずっと見ていましたね。自分の親父が言うには、“猪木-アリ戦”から見てたみたいですよ。テレビの前に噛り付いていたらしいです。ちなみに、ベルトまで持っていますから(笑)」

――初代IWGPヘビー級ベルトのレプリカですね。先生のBlogで拝見しました。

綱川先生「そうです、そうです」

――では、先生が数多くのイベントで、リングドクターを務めるようになった経緯というのは?

綱川先生「こればっかりは、まさか自分がリングドクターになるとは思ってもなかったんですよね。本当に偶然なんですが、大学病院から総合病院へ移る際に、その病院には中山健児先生がOBにいらっしゃったんです。それで、修斗のリングドクターとしてお供するようになって、最初はカバン持ちだったんですが、でも、結果的に段々と色んなイベントから声が掛かるようになって、私自身もリングドクターを務めるようになりました」

――現在は引退されていますが、先生は選手としても試合をされていましたね。

綱川先生「それは子供の頃からの夢でしたね。丁度、時間のある病院だったんで、自分でも格闘技をやってみようと思って、相模原のK'z FACTORYに通っていました。当時は凄いメンバーでしたよ。佐藤ルミナ、大石真丈、植松直哉に五味隆典。今のKILLER BEE勢もいましたから」

――さて、本日は、昨今のプロレス&格闘技界でも話題の絶えないステロイドについてお伺いしたいと思います。

綱川先生「まず、ステロイドというは一般的に言われるステロイド剤のことで、プレドニンとも呼ばれているのですが、主に関節リウマチなどの治療に使われています。ドーピングという意味では、アナボリックステロイドの方になりますね」

――では、アナボリックステロイドというのは?

綱川先生「アナボリックステロイドとは、筋肉増強を目的としてスポーツ選手ではボディビルダーなどが、また、医療の現場で使われるとすれば、乳腺治療ですとか高脂血症、再生不良性貧血の治療なんかに使われています」

――ステロイド自体、医療においてはパフォーマンスの向上を目的に大変古くから使用されていたという話も聞きますが?

綱川先生「どちらが先なんですかね。それは自分が知らないだけかもしれませんが、恐らく治療が先ではないでしょうか」

後編へ続く『日本マット界で薬物検査が行われないのは?』

綱川慎一郎先生 Profile

広島県福山市出身、1973年10月22日生まれ。
北里大学医学部卒業後、東京警察病院に入局。その後、関連病院で研修を行い、2007年4月より多摩脳神経外科・整形外科に勤務する傍ら、リングドクターの中山健児先生との出会いをきっかけに、修斗・PRIDE・HERO'S・ZST・CAGE FORCE・レスリング・UWAI STATION・WWE・新日本プロレスリング・リングスといった様々な団体、イベントでリングドクターを務める。

また、現在は引退をしているが、激務の合間を縫っては格闘技の練習にも打ち込み、ZST大会に出場するなど選手としても活躍した。

◇資格
日本整形外科学会専門医
日本体育協会公認スポーツドクター(日本レスリング協会)
日本医師会公認スポーツ健康医

◇関連リンク
・多摩脳神経外科
http://www.tamaneuro.com
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