人気爆発のTUF-Boyグリフィン、古豪シノシックをも一蹴
“早くもライトヘビー王座への挑戦を言われるまでになったTUF出身のシンデレラ・ボーイ。果たしてスター街道を驀進できるのか? |
第6試合 セミファイナル ライトヘビー級 5分3R
○フォレスト・グリフィン(アメリカ/ハードコア・ジム)
×エルビス・シノシック(オーストラリア/マチャド柔術)
1R 3'22" TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ)
TUFシーズン1の決勝でステファン・ボナ-を相手にUFC史上に残る名勝負を演じて優勝。そして「Xyience(ザイエンス)」というサプリメント会社のTV CMに出演しているフォレスト・グリフィンは、今やUFCでは大をつけていい程の人気選手のひとり。そんなグリフィンが入場すると、会場はこの日一番の盛り上がりとなる。
試合は両者ともに立ち技での攻防に終始。
序盤戦はエルビス・シノシックが左右のフックの連打で試合をリードしていたが、ノリノリのグリフィンは少しぐらいパンチを貰ってもひるまずに前に出て、最後は右フックをシノシックの顎にクリーンヒット。
シノシックは両足が延びた状態で後頭部からフェンスに倒れたとこれでストップ。グリフィンのTKO勝ちとなった。
試合開始2分ほどで、口からマウスピースがみえ肩で大きく息をし始めたので、スタミナ面でやや不安な部分を残した感もあるが、人気者グリフィンがライトヘビー級チャンピオンに挑戦する日は刻一刻と近付いている。
【試合後のコメント】
フォレスト・グリフィン:いいのを数発貰ったよ。でもファンが喜んでくれたから良かった。それに俺もいいの数発入れたから。でもラッキーだった。
シノシック:初めは立ち技で様子を見るという戦法を立てていたからね。パンチも数発当てられたからテイクダウンを狙っていたんだけどね。グリフィンのパンチが目に入ってね、それからちょっと視界がぼけて、その後のパンチが見えなかった。
体格差と流血。ライトルにとってはどうにも気の毒な展開になってしまった |
○ジョー・リッグス(アメリカ/アリゾナ・コンバットスポーツ)
×クリス・ライトル(アメリカ/インテグレイテッド・ファイティング・アカデミー)
※ピート・セルから変更
2R 2'00" TKO (ドクターストップ:カット)
ピート・“ドラゴ”・セルが膝の負傷で出場不可となった時、どの階級でもいいからUFCに出たい、とすぐに公に意思表示したジョー・リッグス。数年前までは100キロ以上あった選手だが、セルの替りの選手がミドル級でみつからなかった為、今大会では、遂にウエルター級で試合をすることとなったのだ。
明らかに体格で勝るリッグスが圧倒するかと思いきや、ライトルは上手くパンチをかいくぐり、グランドでの攻防に試合をもっていく。パワーで勝るリッグスが、上からの大振りのフック気味のパンチを数発ヒット。やや試合をリードしていた感もあるが、リトルもグランドで足関節を仕掛けるなど互角の闘いを繰り広げる。2ラウンドでもライトルはグラウンドで上になるが、下からリッグスの放ったエルボーがライトルの額を直撃。大出血となりドクターストップとなった。
10月3日にベガスで開催されたSPIKE TVとUFCが今年スタートさせた、TV中継主導のライブハウス・スタイルのもう一つのシリーズ「UFN (アルティメット・ファイト・ナイト)2」のメイン(イヴァン・タナ-対デヴィット・ロウゾ-)も、エルボーによるカットでフィニッシュとなったが、負けた選手は負けた気がしないだろうし、観客にとっても説得力のある闘いの結末というよりもアクシデントに近いものにも見える筈だ。それにエルボーで切れた傷口からぼたぼたと血が流れている映像は、お茶の間の視聴者にとって、お世辞にも相応しいものとは言えない。
アメリカの他のMMA大会では、やはり皮膚をスライスする可能性が高いので不完全熱焼な試合結末を迎えるという理由で、肘による頭部への打撃を禁止しているケースが多い。
しかしラウンドでの膝蹴り、顔面踏み付けが禁止のUFCにとって、頭部へのエルボーは、ライバルPRIDEにはないUFCの特別領域でもある。
今後UFCがエルボー攻撃に関してどんな処置をとっていくのか。問題無しの姿勢で無視し続けるのか、少なくともエルボーによるカットで負けてしまった選手には優先的に次のチャンスを与えていくのか、非常に興味深いと言える時点まで、このエルボーは、いま絶好調のUFCが抱えている大きな問題であると言える。
【試合後のコメント】
ジョー・リッグス:そんなにいい試合ができたとは思えないでも勝てたからよかった。やっぱりウエルターでの試合は違う。相手が小さいから、ちょっとイージーだ。
クリス・ライトル:
ベストを尽くした。それにダメージがあった訳ではない。