3 “独裁政権”を知らない若き選手たちの台頭
準々決勝の壁を破り44年ぶりに欧州王者を手にしたスペイン(写真:斉藤健仁) |
彼らのほとんどは、スペインの独裁者といわれたフランシス・フランコが没した1975年よりあとに生まれた世代であり、つまりスペインの内戦を経験していない世代だ。
スペインは昔から、マドリーを中心とした中央政権、バレンシアのカタルーニャ、アンダルシア、バスクなど、民族意識の強い地域が多く、そのことがチームのまとまりを無くしている要因だと言われてきた。そのため、スペイン国民の多くは代表チームの結果より、地元のクラブチームのことが気になっていると……。
だが、今回は上記のような若い選手が多いこと、さらにブラジル出身のマルコス・セナ(ビジャレアル)など、民族の壁を越えて共通の目標を持って戦えるチームとなったのではないだろか。
“無敵艦隊”といわれ続けたスペインが、ようやく欧州王者のタイトルを手にした。次に目指すのは、まだ手にしたことのないW杯だ。
若い選手の多いチームだけに、欧州選手権の勢いもあり、その可能性も十二分だ。退任するアラゴネス監督に代わって指揮を執る新監督にも、フレッシュな顔を期待したいところだ。
【EURO】大会最優秀選手 チャビ・エルナンデス(スペイン)
【EURO】大会優秀選手23名
GK:3人中1人がスペインより
イケル・カシージャス(スペイン)、ジャンルイジ・ブッフォン(イタリア)、エドウィン・ファン・デル・サール(オランダ)
DF:6人中2人がスペインより
カルロス・マルチェナ(スペイン)、カルレス・プジョル(スペイン)、ボジングワ(ポルトガル)、フィリップ・ラーム(ドイツ)、ペペ(ポルトガル)、ユーリー・ジルコフ(ロシア)
MF:10人中4人がスペインより
セスク・ファブレガス(スペイン)、マルコス・セナ(スペイン)、チャビ・エルナンデス(スペイン)、アンドレス・イニエスタ(スペイン)、ハミト・アルトゥントップ(トルコ)、ルカ・モドリッチ(クロアチア)、コンスタンチン・ズリアノフ(ロシア)、ミヒャエル・バラック(ドイツ)、ルーカス・ポドルスキ(ドイツ)、ベスレイ・スネイデル(オランダ)
FW:4人中2人がスペインより
フェルナンド・トーレス(スペイン)、ダビド・ビジャ(スペイン)、アンドレイ・アルシャフィン(ロシア)、ロマン・パブリュチェンコ(ロシア)
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■7/6(日)午後6:30~ :総集編
■7/11(金)~8/22(金) :「激闘プレイバック!」として全31試合の一挙放送
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