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瞠目して観るべし!世界最下位決定戦(2ページ目)

2002年日韓W杯が開催している最中に、「ビリ決定戦」が行われた。その試合は、実は映画の企画であった……。果たして、逆世界一はどの国になったのだろうか!?

執筆者:斉藤 健仁

事実は映画よりも波瀾万丈!?

次々と思わぬハプニングが発生。まさに「事実は"映画"より奇なり」といったところ
調子よく話は進んでいくのだが、そこは劇映画ではなくドキュメンタリー。次々と思わぬハプニングが発生する。

モンテセラトのコーチが急遽クビになり、ブータンのコーチはなんと急死してしまう。両チームともコーチがいない上に、審判が調達できない。立て続けのトラブルに頭を抱えるクレイマー監督。カリブ海から何度も飛行機を乗り継いでブータンまでやって来るモンテセラトチームもなかなか着かないし、着いたら着いたで、ウィルスに感染したとかで選手の大勢が寝込む始末。ホントに実現するのか(?)と危ぶむほどの展開になる。まさに「事実は"映画"より奇なり」といったところだ。

なんとかコーチや審判もギリギリで調達でき、雑草ボウボウ、水溜りだらけのグラウンドで試合が行われることになる。客席なんかあってないようなもので、チケットなんか売られず見たい奴がみんな集まって見に来る。なにやら中学校の対抗戦みたいな雰囲気で、試合の最中に野良犬がノコノコとグラウンドに入って来ちゃったりもする。実況のアナウンサーが横浜の豪壮なスタジアムとの比較をして自嘲しているが、少なくとも観客の盛り上がりに関してはいい勝負といったところ。 

試合の方はほとんど一方的な展開でブータンが4-0でモンテセラトを下した。コーチが臨時ということもあっただろうが、やはりアウェイの試合、しかも慣れぬ高地での試合だったからモンテセラトにはかなりハンデがあったようだ。しかし、最初からそうすることに決まっていたのだが、「優勝(?)カップ」は縦に真っ二つにされた両国チームに手渡された。まさに「参加する事に意義がある」的なフィナーレでこのイベントは終わる。

もともと映画のために立ち上げられたスポーツ企画、という時点で異例の国際試合だが、それだけに映画のほうも単なるニュース映像ではない映画的な演出・編集を本作に施して面白さを盛り上げている。

現在のFIFAランキング最下位はグァムと仏領サモア。今回も是非とも開催してほしい!チェルシーのオーナーであるアブラモビッチこと"アブちゃん"か、ACミランのオーナーでイタリアの首相のベルルスコーニこと"ベルちゃん"あたりがやってくれないかな……。

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