どんなフライを使う?
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パラシュートは汎用性が高く、非常に重宝するフライ。各カラー、サイズを持つようにしよう。 |
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CDCダンは水生昆虫が羽化しようと浮上して水面に辿り着いたステージをイミテートしている。ポイントでトラウトが盛んにライズしているならこれをそーっと流してみよう |
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スタンダードフライは水生昆虫の成虫から亜成虫をカバーできる優れもの。カラーやサイズによって様々なステージのイミテーションとなるので、こちらもなるべく多くの種類を集めておきたい。 |
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MSCは水生昆虫が水中にいるときのイミテーションとして活躍する。モワッとしたシルエットの曖昧さが様々な虫に見えるらしく、トラウトたちを魅了し続けているフライだ。各サイズ・カラーを用意しておこう。 |
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フェザントテールニンフはたったひとつのマテリアルから作ることができるフライだ。シンプルで作りやすいうえ、釣果もバッチリという優れもの。細身のシルエットと独特の素材感は歴史を感じさせてくれる。 | |
今回紹介した3種類のニンフの中では一番水生昆っぽいフライがヘアーズイヤーニンフだ。素材や色によって様々な種類の水生昆虫に対応することができる。こちらも各サイズ・カラーを用意しておきたいフライだ。 |
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渓流でのウェットフライは引っ張るというよりもあえてドラグをかけながら流すイメージ。パートリッジは細いボディーとパラリと巻かれたハックルが水中で泳ぐ生き物のように見えるフライ。いろいろなカラーがあるが、オレンジ、グリーンは必ず用意しておこう。 |
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ベストなフライの選択は上級者になっても難しいもの。なかなかヒットパターンが掴めなくて愕然とすることもあれば、狙い通り決まることもある。魚たちの意外性や生き残るための食性にはガイドも毎回驚かされている。 |
渓流のフライフィッシングで使うフライは非常に多種多様。時間帯、季節、地域の特性などを加味しながらベストな選択をしなければならないので、初心者には非常にやっかいだ。ほんとうは地域の釣具店などで、行きたい場所にあったものをチョイスしてもらうのがよいと思うのだが、一応定番といえるものをいくつか紹介しておこう。
まずはドライフライから解説しよう。最初のひとつとしてオススメしたいのはなんといっても「パラシュート」。パラシュートはドライフライとしては最高のフライのひとつで、高い浮力と抜群の視認性を持っており、初心者にとっても非常に扱いやすいのが特長。カラーによってあらゆるシチュエーションにマッチさせることができるので、最初のうちはパラシュート一筋でも構わないぐらいだ。とりあえず揃えるならグレー系、ブラウン系をメインにそれぞれ12番から18番あたりを中心に集めておこう。ガイドも釣り場について最初に結ぶフライとしてパラシュートを選ぶことが多い。何も手がかりがない、初めて行く釣り場などで非常に頼りになるフライだ。
次に用意したいのはダンと呼ばれるステージをイミテートしたフライ。これは非常に複雑なバリエーションがあるが、ボディーとCDCで作られたウイングだけの「CDCダン」と、それにハックルが少量巻かれている「スタンダード」の2種類を持っていれば良いだろう。サイズはやや小さめの16番から20番ぐらい、カラーはオリーブやブラウンなどの暖色系とホワイトやイエローなどの明るい色を数種類用意しておきたい。流れの緩やかなポイントで強さを発揮することが多いフライで、ほかのフライに出るのにフックアップしないときや、飽きられたときにチェンジしてみるとすぐにかかることもある。ガイドも研究中なのだが、いろいろな意味で水生昆虫とフライの関わりを考えさせられることが多く、使っていて楽しいフライのひとつだ。
また、管理釣り場編でも解説した「エルクヘアカディス」(※管理釣り場編参照)も実に効果的なフライになることが多いもののひとつ。ボリューム感があるフライなので、盛期(晩春から夏以降)のメインとして活躍してくれる。このフライは様々な虫のイミテーションとして使えるため、サイズバリエーションは12番から18番あたりまでまんべんなく揃えよう。暖色系のボディーとナチュラルカラーのウイングのタイプを中心に集めておけばよいだろう。夏場も釣りに出かけるなら、ブラックボディーのタイプを持っていくとテレストリアル(陸生昆虫)のイミテートにもなるので便利だ。
最後にオススメしておきたいのが、「ミッジ」(※管理釣り場編参照)の20番~24番。流れの緩やかなポイントで、ポツーンポツーンと小さな波紋を描きながらトラウトが何かを捕食している場合にミッジを流すことが多い。この場合、カラーやシルエットよりもサイズが重要で、できることなら何が流れているかをちゃんと調べて、流下している虫よりも若干大きめのフライを選択すると結果が良い。まぁ、最初からそこまでしなくても、そんなシチュエーションのポイントに22番あたりのミッジを流してみると何かしら反応があると思うので、難しく考えずにとりあえず集めておくぐらいでも構わないだろう。
水面下用のフライは、基本的にその川に生息している水生昆虫をイミテートしたものを集めておかなくてはならない。フライを水中に沈めて流すため、魚の目に付きやすいので、いつも食べている虫にマッチしている必要があるのだ。とりあえず、何も手がかりがない場合でも一定の結果が出る「MSC」「フェザントテールニンフ」「ヘアーズイヤーニンフ」などを用意しておくのも一つの手だが、なるべくなら事前に情報収集しておき、その釣り場に合わせたフライを準備しておこう。もちろん、先ほど述べたフライならサイズとカラーを合わせればどこでも通用するので、いくつか種類を充実させておけば安心だ。また、本流の大型トラウトを狙うならウェットフライも効果的。管理釣り場編で解説した「マーチブラウン」(※管理釣り場編参照)のほか「パートリッジ」などを中心にいくつか種類を集めておこう。
>>まだまだ続きます、渓流釣り編!>>