文章:橋本 誠(All About「アート・美術展」旧ガイド)
今回ご紹介するのは、現代アートを客室に取り入れたホテルや、展覧会イベントを企画したりするホテルをご紹介します。何度も訪れたことのあるお気に入り街も、アートなホテルで過ごすときっと新鮮な景色に見えてくるはず。東京と関西エリアより、誰もが一度は泊まりたい憧れのホテルをご紹介します。

まずは、ただいまセカンド・リニューアルを終えたばかりの東京・目黒にある「CLASKA」からご紹介します。

泊まる、創る、食べる、使う、遊ぶ
ジャパニーズコンテンポラリーを追求するCLASKA

CLASKAのある目黒通り沿いには洗練されたインテリアショップが数多く並ぶ
古くから親しまれていたホテルをリノベーションしたCLASKA(クラスカ)。建物には昔の面影が見える部分も遺されています。"泊まる、創る、食べる、使う、遊ぶ"という言葉通り、この建物の中にホテル、ギャラリー、デザイナープロダクトが揃うショップ、五感で楽しめるダイニングカフェ、イベントや撮影が行われるスタジオが揃っています。

Hotel CLASKAの全18室ある客室は、ジャパニーズモダン、畳を取り入れた部屋など、Intentionalliesの鄭秀和(てい・しゅうわ)、岡嶌要(おかじま・かなめ)ら気鋭のデザイナー陣によるもので定評があります。

さとうかよ「Room702 パジャマ」
自身の夢の中でみる世界を作品で表現しているというさとうかよ。不思議な夢の世界に連れていかれそうな予感。
Hotel CLASKAの中でも特に個性的なのは、「D.I.Y.rooms」シリーズの3つの客室です。先に完成していた岡嶌要に続き、プロダクトデザイナーの寺山紀彦、美術作家さとうかよの2人がそれぞれ1室を完成させたばかりです。D.I.Y.の名の通り、デザインだけではなく施行にまでデザイナーが自身の手でこだわりぬいて取り組んだ一室です。

岡嶌要「Room 707 “scar”」
窓から見える夜景には、ライトアップされた東京タワーが浮かび、さながら都会に浮かぶ孤島にいるような気分。
「Room702 パジャマ」をデザインしたさとうかよは、ぬいぐるみをつなぎ合わせてコラージュする作品をつくる現代美術作家です。自身の作品をベッドの脚など室内のインテリアに取り入れ、壁にもドローイングを施し、ガーリーな部屋になっています。岡嶌要による「Room 707 “scar”」は白い珪藻土の壁に、まるで船の中にいるような丸い窓が印象的な一室に仕上がっています。内装に使われている材料は、古道具、倉庫で眠っていた物、捨てられようとしていた物や再可能な物で、どこかの記憶の跡が息づいています。

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