天真爛漫な女の子に内気な男の子が恋をする片想い小説『夜は短し歩けよ乙女』で大ブレイク! 本屋大賞にもノミネートされ、注目度が高まるモリミーこと森見登美彦氏の現時点の全著作とその魅力を紹介します。
天真爛漫な女の子に内気な男の子が恋をする片想い小説『夜は短し歩けよ乙女』で大ブレイク! 本屋大賞にもノミネートされ、注目度が高まる森見登美彦氏の現時点の全著作とその魅力を紹介します。
日常の90パーセントが妄想!?『太陽の塔』
モテない大学生のクリスマスええじゃないか騒動。 |
★森見ワールドの魅力その壱:めくるめく妄想
女の子に縁がない男たちの楽しみが妄想。例えば、主人公と友人の飾磨(しかま)は、全く話したことのない女性の身の上(大酒を飲んで働かない父がいて、家計を助けるために日夜働いている、とか)を勝手に作り上げる。そのとき出てくる飾磨のセリフが傑作。
「我々の日常の九〇パーセントは、頭の中で起こっている」
無意味で楽しい毎日『四畳半神話大系』
四畳半パラレルワールド・ストーリー。 |
★森見ワールドの魅力その弐:文体と内容のギャップ
近代文学を彷彿とさせる大仰な文体で、語られるのはラブドールの誘拐や、浴衣が桃色に染められるといった珍騒動。この落差が笑いを生むんです。魚肉ハンバーグのようにぷりぷり怒るというような、愛嬌のある言葉を選ぶセンスも絶妙。
コラム:京都大学出身の作家
1925年に誕生したという時計台。カッコいい。 |
京都大学ミステリ研究会出身作家が中心を成した新本格ムーブメントはクラシックな探偵小説の面白さを再発見させましたし、『日蝕』は擬古調の文体が話題になりました。『鴨川ホルモー』は京都の大学に古くから伝わるユニークな行事を中心にした小説です。
日常生活を送る場所に普通に名所旧跡があったりするからでしょうか。京大生(に限らず京都の若者)は、古いものが好き!?
端正な怪談とキュートな片想い小説で大躍進!>>>