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火災保険の大改定で何が変わったのか?

損保各社の火災保険が2010年1月に改定されました。今回の火災保険の改定で火災保険の仕組みが大きく変わっています。改定された火災保険について解説しましょう。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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火災保険は2010年に何が改定されたのでしょうか?

火災保険は2010年に何が改定されたのでしょうか?

2010年1月より各損保が火災保険の改定を実施しています。今回の改定で値上がり、値下がりする物件がそれぞれでてきます。

値上がりする物件については2009年末の改定前に火災保険の見直し(値上げ前に切り替え)する動きがありました。

もともとは数年前に起きた保険金不払い問題、保険料過払い問題に端を発しているところがあり、火災保険をより分かりやすく簡素化する目的などもあって改定がなされています。

また今年の春の保険法の施行にともないそれに対応した商品対応が必要になるため先立って保険法に対応した内容に改定されています。

ただし今回の改定は保険料が値上げになった、値下げになったという負担部分だけの話ではなく、火災保険の仕組みそのものが結構変わっています。今回は2010年に行われた火災保険の改定について解説しましょう。

火災保険の改定で何が変わったのか。

 今回の火災保険改定で改定された主な項目を以下に列挙します。

・構造級別区分、保険料率等の改定
・割増引の簡素化、特約等の整理
・商品構成の見直し
・保険募集関連の改定
 

火災保険構造級別区分、保険料率等の改定

今回の改定の柱の一つですが、火災保険の構造級別が改定されました。火災保険は物件の構造と所在地によって保険料率が決まりますが、この構造級別の判定と所在地の区分が改定されています。

具体的には住宅物件が4区分 (A構造、B構造、C構造、D構造)から3区分(M構造(マンション)、T構造(耐火・準耐火)、H構造(その他))に、一般物件が5区分(特級、1級、2級、3級、4級)から3区分(1級(耐火)、2級(準耐火)、3級(その他))になりました。

また所在地区分も東京都などでは都内でも地区によって料率区分に違いを設けていましたが、こうした区分を改定して都道府県ごとの区分にしています。

こうしたことなどによって契約者が負担する保険料の値上がり、値下がりがでています。一番負担増になるのが、住宅物件ではB構造→H構造、一般構造では2級→3級となるようなケースです。

具体的には外壁がコンクリートの木造建物や土蔵造建物です。アップ率が高いので各社激変緩和のため経過措置の料率の使用があるようです。

火災保険の改定(割増引の簡素化、特約等の整理)

火災保険の場合でも様々な割増引や特約がありましたがこれらを簡素化、整理しています。例えばオール電化住宅などの割引などがありましたが、こうしたものが廃止されています(一部残している損保もある)。

さまざまな意見があると思いますが、色々割増引や特約が多かった関係で本来取るべき割引を取っていなかったことなどから保険料過払い問題なども発生しました。こうしてこともあり、商品の分かりやすさとともにこれらの簡素化や整理がなされました。

火災保険の改定(商品構成の見直し)

以前に別の記事で火災保険の商品ラインナップについて解説したことがありますが、各社これらについても見直しをしています。

商品が多いということはそれだけコストも掛かりますので、保険会社によっては従来型の火災保険(住宅火災保険、住宅総合保険、団地保険、普通火災保険、店舗総合保険など)を廃止して独自の新型火災保険に一本化するところもあります。

この辺りは各社の経営判断でしょうが、従来型の火災保険商品は他社対抗上無くしてはいないが、実際には販売しないというようなこともあるはずです。

いずれにしても従来の火災保険に加入していて加入先の損保がこれを廃止した場合、前述の構造級別や割増引の改定・簡素化とは別な部分で保険料に影響することがあることを覚えておいてください。

火災保険の改定(保険募集関連)

今回の火災保険の改定と別な話になりますが、2010年4月に新たに保険法というものが施行されます。これによって生損保を全体の保険募集のあり方にかなり影響がありますが、各保険商品がこれに伴い保険法に対応した内容に商品の切り替えをしています。

火災保険の場合も1月に改定されましたので、先取りして4月の保険法に対応した内容に商品が切り替わっています。

損害保険ガイドから今日のポイント

今回の火災保険の改定を機会に火災保険の契約をもう一度見直してみましょう。

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