思わず呼吸を忘れる緊迫感!リチャード・マシスン『奇術師の密室』
真実は二転三転! |
植物だけに、悩みの種はある。
なんて自虐ギャグを飛ばしつつ、自分を“見えない人”扱いする面々に淡々とツッコミを入れる、シニカルなキャラクターが魅力的な老人です。
毎日、奇術道具だらけのマジックルームの車椅子の上でじっとしているエミール。ある日、しゃべれない、動けない彼の目の前で、殺人劇の幕が開きます。息子で奇術師として活躍するマックスとその妻カサンドラ、カサンドラの弟ブライアンとマックスのマネージャーのハリー。主な役者はこの4人。たった4人なのに人間関係は複雑に絡み合っています。騙し、騙され、最後に笑うのは果たして……?
思わず呼吸を忘れるほどの緊迫感とドンデン返しの連続に、ページをめくる指がとまらない一冊です。
<新刊情報>
・『12番目のカード』…9月末に発売。リンカーン・ライム・シリーズの最新刊です。
・『密室と奇蹟』…11月末発売予定。密室といえばカー。豪華執筆陣によるアンソロジーです。