平山版「地獄の黙示録」?「すさまじき熱帯」
装幀も美しい。使用フォントも雰囲気に合っています。 |
初めて名を聞いたその国の言葉が〈俺〉にはどう聞こえるか。そこがとても面白いです。たとえば空港に着いたときからこんな感じ。
〈鍋彼構うなチンポ吸い池之端文化センター〉浅黒い入管の言っていることは全くわからず、俺の耳には電波者の妄想から出る言葉の羅列に響いた。
ほかにも挨拶が〈小円遊〉(小円遊についてはこのあたりを参照ください)と聞こえたり。まずこのデタラメな翻訳が笑える。そして目的地にたどりついていきなり豹変するドブロクに爆笑。皮肉が利いたラストまで、楽しい(?)一編です。
本書の帯の裏面には〈是に拠る平山本に対する依存性は読了者は非読了者に比べ約2倍から4倍高くなります〉と書いてあります。確かに、今後平山氏の新刊から目を離せそうにもありません。
<関連サイト>
・【平山夢明 ブログ】ある日記…著者のブログ。各メディアでの紹介情報などが見られます。ここからリンクされている担当編集者のブログによると11月29日にロフトプラスワンでイベントがある模様!